ドラッグストアで働いていると、1日に1回は返品対応があります。返品理由は人それぞれ。中には「えっ」と驚くような返品理由もあるんです。今回は筆者本人が体験した、返品にまつわる衝撃エピソードを紹介します。

少年3人組が来店

私が働くドラッグストアでは、薬や食品、日用品以外におもちゃも取り扱っています。種類は少ないけれど、子供たちにとっては魅力的のようです。

その日は暖かく、青空が眩しい土曜日でした。いつものように店内で品出しをしていた私は、近所の小学校に通う3人組が店に来ていることに気がつきました。その子たちは5年生で、近所でも有名な問題児……。念のため、様子を確認しつつ品出しを続けました。

室内用ドローンを購入した少年

店内に響く少年たちの大きな声。「ドローンあるじゃん! 俺、金あるから買っていこう!」そう言って、1人の少年が約4,000円もする室内用小型ドローンのおもちゃを購入。意気揚々と3人の少年は店を出て行きました。「おもちゃに4,000円も出すなんて、最近の子供はお金持ちだな……」なんて思いながら仕事を続けました。

戻ってきた少年が放った衝撃の一言

それから3時間ほど経ち外が薄暗くなりかけた頃、ドローンを買った少年が1人で店に戻ってきました。おもちゃ売り場で何かを確認していた少年は、レジにいる私の元へ。

少年の口から発せられたのは、衝撃の一言。「外でドローンで遊んでたら、どこかに飛んで行っちゃいました。返金してください」まさかの発言に、私は少年と目を合わせたまま固まってしまいました。

最後まで納得しなかった少年

気を取り直し、少年に説明します。「買った商品がなければ返金はできないし、一度でも使ってしまえば返品は受け付けられないですよ」。しかし少年は、「4,000円も払ったのに! 金返せよ」と納得しません。確かに、商品に不備があった場合は返金は可能です。けれど今回は、“室内用を外で使用した”ために起きたこと。返金することはできません。

その後、少年のおばあちゃんが店に来られたので再度説明。結局少年は最後まで納得せず、文句を言いながら帰っていきました。

子供だから理解するのは難しいのかなと思いつつも、この経験を次にいかしてくれたらいいなと感じた出来事でした。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。