どのお店でも神経を使う業務のひとつに、「返品処理」があるのではないでしょうか? 今回は、私がアパレル販売員時代に体験した、返品作業にまつわるエピソードをご紹介します。

お店が混んでいる時に「返品作業」がやってきた

私が某ショッピングモールの服屋で働いていた時のことです。面倒かつ神経を使う作業が「返品処理」。間違えるとお客様はもちろんお店にも迷惑がかかるので、気を引き締めて行う必要があります。空いている時間帯であればとても助かるのですが、その日は運悪く後ろにお客さんがたくさん並んでいる状態で返品処理を求められました。

ややこしい手順が多く……

レジは1つしかないので、急いで返品作業を行なわければいけません。でも、その店舗は私が今まで働いた中でもダントツで面倒な処理が多く、場合によっては自社レジ・クレジットカード・ポイント、と3種類の機械を使わなければなりませんでした。しかもポイントの機械は最近導入されたばかり。慣れない作業になるので、さらに気を遣う必要があります。

先輩主婦さんにヘルプ! しかし驚きの返答が

他のお客さんが並んでいたので私一人では捌ききれないと判断し、先輩主婦さんにヘルプを求めました。すると、先輩主婦さんは「私、今からゴミ捨てにいくんだけど」とまさかの返答。

え!? 今!? と驚くと同時に、後ろのお客様もお待たせしている状況なのにゴミ捨てを優先するなんて、どういうこと!? とカチンときてしまい……。思わず私も少しキツめに「後にしてもらっていいですか?」と言ってしまいました。それでも「店長に頼まれてるんだけど」と譲りません。

私もこの状況でゴミ捨てに行かれては困る……と思っていたら、後ろにいた先頭のお客さんが「あの、早く会計してもらいたいんですけど」と先輩主婦さんの方へ進み出てはっきりと言ったのです。お客さんから見ても、先輩主婦さんが目の前の客を置いて逃げようとしているのが一目瞭然だったのでしょう。イライラが伝わってくるようでした。

反面教師にして私も気をつけよう……

お客さんに言われたのでは、さすがの先輩主婦さんも断るわけにはいきません。渋々ながら後ろに付いていたお客さんの商品を預かるなどしてくれましたが、結局返品作業は一切手伝わず私が全て行うことに。

慣れない返品処理をどうにか滞りなく行うことができてホッとした反面、先輩主婦さんには色々と思うことがありました。私は困っているスタッフがいたら率先して手伝ってあげよう……というように、先輩主婦さんは私にとっての反面教師となったのでした。

【体験者:30代・販売員、回答時期:2024年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。