古着 & ヴィンテージショップが軒を連ねる高円寺。近年のリバイバルブームで新しいお店も増えています。特に最近若い世代がオーナーを務めるお店のオープンが続いています。今回取材させてもらったのは、そんな“NEW古着ストリート”にお店を構えるレモンヴィンテージ。1950〜1990年代のアメリカ古着をメインに扱うこちらは、SNSを通じて全国にファンがいるお店です。

高円寺の老舗古着店を経て
女性だけで運営するお店をオープン

毎週金曜、アメリカで買い付けてきたヴィンテージを紹介するInstagramのLive配信が人気のレモンヴィンテージ。古着の街・高円寺の、小洒落たバーや古いスナックと古着店が混在する通りに実店舗があります。白を基調とした店内には、ウッドやバンブーのナチュラルな素材の什器を使って色とりどりのヴィンテージアイテムが並んでいます。一番のこだわりはアクセントにしているレモン色。店名にもなっている「レモン」は、オーナーのHarukaさんにぴったりと言われることが多かったそうです。

「『レモン』って“見た目はきれいだけど、中が酸っぱい”という意味のスラングもあって、中古車やジャンク品のことを『レモンちゃん』と呼んだりもするんです。古着も、一見きれいに見えて、よく見るとダメージがあったりするけど、それもかわいい。店名にはそんな意味も込めています」

画像: 店名になぞらえたレモン色が効いている。一度塗った色が気に入らず、よりレモンっぽさを求めて塗り直してもらったこだわりの差し色。

店名になぞらえたレモン色が効いている。一度塗った色が気に入らず、よりレモンっぽさを求めて塗り直してもらったこだわりの差し色。

Harukaさんの古巣は、同じ高円寺で20年以上続く古着店。地元仙台にある服飾系の高校を卒業後、カナダ留学を経て20歳で販売員としてお店に立つようになりました。上京前に一度留学をしたのは「海外買い付けに行くことを見据えて」と話します。
「お店に入った当時は販売とバイヤーの仕事は別だったのですが、英語を話せて国外運転免許を持っているということで、24歳くらいで買い付けに行かせてもらえるようになりました。買い付けに行くようになってからももちろんお店にも立っていたし、全盛期だったブログを通じて古着の魅力を発信したり……。前の職場は70sのアメリカンヴィンテージをメインに扱っていたので、自分の好きな世界観で本当に色んなことを経験させてもらって、感謝しています」

30歳という節目の年に前職を退職し、大手古着店のバイヤーとしてロサンゼルスが拠点となります。しかしブログやSNSのフォロワーからの「Harukaさんのお店を出して欲しい」という熱い声や、周り友人知人からの後押しや巡り合わせがあり、独立を決意。バイヤーの仕事と並行してロサンゼルスと高円寺を行き来しながら準備をして退職後わずか8ヶ月で自分のお店をオープンしました。
「自分でもよくできたな、と思います(笑)。決めてしまったら何かに突き動かされるように、本当に頑張った時期でした。頑張れた大きな理由のひとつとして、男の人の力を借りなくても、女性だけでも古着屋さんを経営できることを証明したかったんです。古着業界は色んな場面で男性主導の世界で、物理的にも男手があった方がいい場面も多いんですよね。だけど女性だけでだって成し遂げられるんです。今お店は私のほかは3人の女性スタッフで運営していますが、人間関係も良好で離職率0。みんなモチベーションを高く保ってくれています。買付け後は1箱35キロくらいある荷物が届くんですが、みんなで事務所にしている2階まで運んでいます(笑)」

画像: メインストリートから一本入った通りにあるので落ち着いて買い物ができるのも大人世代にとって嬉しいところ。実際、じっくり吟味する人が多いそう。

メインストリートから一本入った通りにあるので落ち着いて買い物ができるのも大人世代にとって嬉しいところ。実際、じっくり吟味する人が多いそう。

画像: 高円寺の老舗古着店を経て 女性だけで運営するお店をオープン
画像: 西海岸の明るくヘルシーな雰囲気をイメージした店内には、木製家具や什器が多く使われている

西海岸の明るくヘルシーな雰囲気をイメージした店内には、木製家具や什器が多く使われている

コロナ禍に始めたインスタライブで
売り上げは右肩上がりに

お店のオープンに先駆けてWEBショップをスタート。全国のヴィンテージファンへの訴求へとつながりました。今はWEBショップのみというお店も多い中、Harukaさんにとって実店舗はマストだったのでしょうか?
「私自身接客が好きでしたし、お店があれば手に取ってみてもらえたり、世界観を伝えやすい、そして安心感がある等メリットがたくさんあったので、WEBショップと実店舗の両輪で経営することにしました。遠方の方で一度もうちの店来たことないけど、履歴を見たら100回以上買い物してくださっている方もいるんですよね。そうやって全国のお客様へ訴求できるのがWEBのいいところですし。WEBは毎日欠かさずアップを続けていて、それがコロナ禍になっても揺るがずお店を続けられたんだと思います。コロナ禍、うちのお店はすごく業績良かったんですが、それは全国のお客様が支えてくれたおかげだな、とずっと感謝しています。インスタライブでは直接応援の言葉をいただいたり。あと、結構皆さんストレス発散になるとか、ライブを見るのが癒やしだ、なんて言ってくださって、本当に気持ちを支えていただいていました。ライブは毎週金曜にしているんですが、今後も継続していく予定です」

画像: コロナ禍に始めたインスタライブで 売り上げは右肩上がりに
画像: 冬でも色とりどりのアイテムが並ぶ。状態のいいカシミヤニットが豊富なのも魅力的。

冬でも色とりどりのアイテムが並ぶ。状態のいいカシミヤニットが豊富なのも魅力的。

2頭の犬と一緒に暮らす日々
保護犬&猫の預かりボランティアも

画像: 左がオハナ、右がオモチ。取材に伺うと、Harukaさんと一緒に看板犬の2頭が出迎えてくれました。普段は2階のオフィスにいるので会いたい方は伝えてみて。

左がオハナ、右がオモチ。取材に伺うと、Harukaさんと一緒に看板犬の2頭が出迎えてくれました。普段は2階のオフィスにいるので会いたい方は伝えてみて。

女性だけでヴィンテージショップを経営する傍ら、Harukaさんは犬猫の預かりボランティアという形で社会貢献を続けています。多い時には10頭の犬猫を預かってお世話をしています。お店のレジ横には、犬猫の保護活動のための募金箱と「ペットショップにいくまえに」と題した冊子が。

インスタライブにも登場する看板犬とオハナちゃんとオモチちゃんも保護犬だそうです。
「元々動物は大好きだったので、24歳くらいの頃に犬猫の保護団体のお散歩ボランティアをやっていて。出勤前に中野新橋のシェルターに寄って、お散歩して掃除をするのが日課でした。そんな縁で2012年にオハナを迎えました。バイヤーになってからは忙しくてボランティアに行けなかったんですが、独立して時間に余裕が出てきた2021年にオモチを迎えました。その時、オモチの保護主さんに誘ってもらって、預かりボランティアを始めたんです。個人での預かりのノウハウを教わりながら、もう40~50頭ほど飼い主さんとの縁を繋いでいます。お世話をしていると情が移ってしまうこともあるけど、なるべく思いを込めないような名前にしています。牛乳の日だから『ミルク』にする、とか。あくまで仮の名前なので(笑)。私のもとでずっとたくさんの動物と暮らすよりも、誰かの特別な存在になる方がその子にとっては絶対に幸せですから」

画像: レジ横の募金コーナー。保護犬&猫を推奨する冊子は絵本作家のどいかやさんが制作しているものを印刷。

レジ横の募金コーナー。保護犬&猫を推奨する冊子は絵本作家のどいかやさんが制作しているものを印刷。

冬でも明るい色を効かせて軽やかに
ロサンゼルスのハッピーな風を感じて

レモンヴィンテージが提案するのは、ビビッドな色や柄を取り入れつつ、ナチュラルさも感じる大人のヴィンテージスタイル。Harukaさんの着こなしでおすすめのコーディネート&アイテムをご紹介します。

70sヴィンテージワンピで作る
真冬のヒッピースタイル

画像: 70sワンピース¥12,540、70sビスチェ¥7,590、60sニットガウン¥18,040

70sワンピース¥12,540、70sビスチェ¥7,590、60sニットガウン¥18,040

発色の良い花柄が鮮やかなヴィンテージワンピースは西海岸で買い付けたもの。一年を通して日差しの強いロサンゼルスのヴィンテージらしい一枚。肌馴染みのいいベージュのガウンとビスチェをレイヤードして色の強さを中和。

画像: 70sヴィンテージワンピで作る 真冬のヒッピースタイル

重ね着したのはスエードのホルターネックビスチェ。ヒッピーライクなムードを底上げしています。

フリルシャツ×フレアパンツに
スウェットを重ねたリアルクローズ

画像: 80sスウェット¥7,590、90sシルクフリルシャツ¥8,690、60sウールパンツ¥12,540、アンゴラファーベレー帽¥7,040

80sスウェット¥7,590、90sシルクフリルシャツ¥8,690、60sウールパンツ¥12,540、アンゴラファーベレー帽¥7,040

パキッとした色合いのチェックがヴィンテージ感たっぷり。フレアパンツとフリルの襟がポイントの、カジュアルスタイル。1960年代のクラシカルなシャツを90年代のラフなスウェットで外すという遊び心が粋。時を超えたMIXコーデを楽しめるのもヴィンテージの魅力。

画像: 60sエコファーコード¥23,540

60sエコファーコード¥23,540

アウターにはファーコートを。カジュアルコーデには、毛足が短めの白いファーがゴージャスすぎずほどよくマッチする。

いなたいパッチワークスカートには
ファーとカシミヤニットで大人っぽく

画像: カシミアニット¥8,690、ファーベスト¥9,240、70sパッチワークスカート¥12,540

カシミアニット¥8,690、ファーベスト¥9,240、70sパッチワークスカート¥12,540

大胆なパッチワークが目を惹くロングスカートを主役に、上質なカシミアニットや華やかなファーベストを合わせて大人っぽく仕上げて。ブラウン×ベージュ系のファーとスカートに、水色のニットで爽やかさをひと差ししています。

画像: アクセサリーは主張しすぎないシルバー系のものをチョイス。

アクセサリーは主張しすぎないシルバー系のものをチョイス。

画像: アウター¥20,240

アウター¥20,240

フロント、バックに踊るように施されている刺繍がゆるかわいいアウターはメキシコ製。フェルト地に教会やサボテンなど、メキシコらしいモチーフが並ぶ。

画像: ワンピース¥18,040

ワンピース¥18,040

首周りと袖のカラフルなクロスステッチが贅沢なワンピース。インにタートルニットなどを重ねれば、冬でも大活躍。フレアデニムを重ねたり、ロングブーツを合わせるのがおすすめです。

画像: スカート¥17,490

スカート¥17,490

主役アイテム的存在感のサイケデリックな花柄ロングスカート。光沢のあるサテンキルティングが華やかかつ暖かさをキープしてくれます。

(SHOP情報)
LEMON
東京都杉並区高円寺南4-24-11-103
13:30〜19:00
無休

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