これは役所に勤める友人、チエさん(仮名)から聞いた話です。婚姻届を提出しに役所へ来た30歳位のカップル。本籍地などを確認していると、男性のほうには以前結婚歴が。本人に確認しても「知らない」と言われ、対応に困っていたところ……?
婚姻届を提出しに来たカップル
私は役所の窓口で働いています。ある時、30歳くらいの夫婦が婚姻届を提出しにきました。内容を確認していると、旦那さん側には以前、結婚歴があり、婚姻届に書かれた住所が本籍地と違っていたのです。
結婚歴を隠している……?
奥さん側がそのことを知っていれば何も問題はありませんが、もし知らなかった場合、私がこの場で言うわけにはいきません。そこで旦那さんのほうに少し遠回しに確認をすることにしました。「あの……旦那さまの本籍地が違うのですが……以前、別に本籍地を変えたことはございませんか?」
そう尋ねてみたものの、旦那さんは「え? いえ、そんなの知りません」と言うのです。さらに奥さんのほうをチラチラ見ながら、少し動揺しているようにも見えました。
(これはもしかすると、再婚であることを奥さんが知らないのかもしれない……)たまにあることではありますが、対応次第では大事になってしまうため、私はかなり焦ってしまいました。
そこで私は、ひとまず奥さんに聞かれないように話をしようと思い、「えっと……ちょっと旦那さまだけ、こちらに……」と、旦那さんを呼ぼうとしたのです。この時の私の心境たるや、心臓が飛び出そうなほどドキドキしていました。
女性の口から出た一言
その瞬間、隣にいた奥さんが落ち着いた口調で、「あぁ、前に結婚していたときの住所になってるってことでしょ?」と一言。何ということはなく、奥さんは旦那さんが以前結婚していたことをご存じだったのです。
それがわかり、私はホッと胸をなで下ろしたと同時に、旦那さんに対し、それならあんなに動揺したような態度を取らないでほしいと思ってしまいました。
男性の心無い言葉
ところが、旦那さんはようやく事情を理解すると、「あ、そういうことか。回りくどい言い方したからわからなかったんですけど」とムッとした様子で私にダメ出し。
「申し訳ありません……」そう謝りつつも、(いやいや、あなたに気を遣って、わざわざ遠回しに伝えようとしたんですけど……)と、こちらはハラハラしながら気を配ったものの、どこか拍子抜けしてしまう結末となりました。
【体験者:30代・女性公務員、回答時期:2023年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:小橋美月
マスコミ業界に16年勤務。業界で培った原稿執筆のスキルを活かし、ライター業へ。さまざまな職種、ライフスタイルの人への取材を通じた、「生きたエピソード」が強み。働く女性の葛藤や子育て
、夫婦関係など、実体験に基づいたリアルな物語を届ける。

