【COORDiSNAPライターは見た】女性メディアライターの実録記ー本記事は当メディアの読者の声及びライター体験を元にした実録記です。女性のライフスタイルのリアルをお届けします。
今回は、友人の舞子さん(仮名)から聞いた、引っ越し先での不思議なお話です。幼いころから人には見えないものを感じることがあった舞子さん。慣れない土地で買い物から帰る途中、見知らぬ女性に声をかけられました。その出来事は、後日思いがけない展開を迎えます。

雨の日に選んだ近道

夫の転勤で、山に近い町へ引っ越しました。まだ周辺の道を覚えきれていないころ、買い物帰りに雨が降り始めたのです。傘を持っていなかった私は、スマホで自宅までの道を確認しました。古い石垣に沿った細い道を通れば、早く帰れそうです。少しでも雨に濡れる時間を減らしたくて、その道へ足を向けました。

すると突然、背後から「そっちじゃないよ」と声が聞こえたのです。

見知らぬ女性からの忠告

振り返ると、紺色の割烹着を着た70代くらいの女性が立っていました。「雨の日は下を通っちゃだめ。遠くても大通りから帰りなさい」と強い口調で言うのです。

近道なのにと思っていると、女性は私の買い物袋を指さし、「卵、割れるから走らずにね」と続けました。袋の底にしまった卵を、なぜ知っているのでしょう。不思議でしたが、地元の人の忠告ならと、教えられた道へ引き返しました。

帰宅後に知った恐ろしい事実

大通りを歩いていると、背後から低い音が響きました。建物に遮られて何も見えず、そのまま帰宅したのですが、夕方、近所の人から驚く話を聞きました。あの石垣が崩れ、細い道を塞いだというのです。

もし引き返していなかったら……そう考えると、足が震えました。翌日、女性にお礼を伝えたくて町内会の集まりで特徴を話すと、1人の住人が急に黙り込んだのです。

写真に写っていた女性の正体

その住人が自宅から持ってきた昔の写真を見て、息をのみました。昨日の女性が写っていたのです。「母です。5年前に亡くなったんだけど……」と住人は話しました。生前は雨の日の石垣を心配し、通行人に声をかけていたそうです。紺色の割烹着も、いつもの服だったとのこと。

卵の話をすると、「母は食料品店をやっていたから」と目を潤ませました。何が起きたのか、今も説明できません。ただ、あの日の声だけは忘れられないのです。

女性の正体を確かめることはできなくても、呼び止められたことで危険を免れることができました。あの日の不思議な出来事を、感謝とともに心に留めています。

【体験者:40代・主婦、回答時期:2026年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐藤 栄祠
大手メーカーの営業を経て、ライターに転身。会社員時代に培った経験と、組織の一員であるからこその“喜怒哀楽”をリアルに伝え、「誰かを癒したい」との思いが執筆の原動力。スピリチュアル関連情報にも精通しており、それらに傾倒する人の思いを描いたエピソードも好評。

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