今回は、友人の妹である藍那さん(仮名)が経験した家族旅行でのお話です。旅行好きの夫に誘われ、3歳の娘と温泉旅館へ出かけることになった藍那さん。しかし、出発前の準備から旅行中の育児まで、ほとんどを1人で担うことになってしまいました。
楽しみにしていた家族旅行
旅行好きの夫から「たまにはゆっくりしておいで」と温泉旅行に誘われました。久しぶりにのんびりできると思い、私も楽しみにしていたのです。
ところが、夫が準備したのは自分の着替えだけ。3歳の娘の荷物も、車内で食べるおやつも、すべて私が用意しました。旅館に到着しても、夫は「先に風呂へ行ってくる」と言い、荷ほどきもせず部屋を出ていきました。
旅行先でも休めない私
夕食では、夫がお酒を楽しむ隣で、私は娘の料理を冷ましたり、こぼしたお茶を拭いたりしていました。気づけば自分の料理はすっかり冷めています。
「少し代わって。私も食べたい」と頼むと、夫は「旅行中くらい休ませろよ。いつもやっているんだから慣れているだろ」と一言。その後も夫は1人で温泉へ。私は娘をお風呂に入れて寝かしつけ、結局、大浴場には行けませんでした。
夫に同じ言葉を返した結果
翌朝、また温泉へ向かおうとする夫を呼び止めました。「昨日は一度もゆっくりできなかった。朝ご飯のあとは娘をお願い」と伝えると、しぶしぶ了承。
しかし、私が入浴の準備を始めると「着替えはどこ?」「歯ブラシは?」と何度も呼んできます。バッグの場所を教え、「旅行中くらい休ませて。昨日あなたが言ったことだよ」と返しました。すると夫は何も言わなくなりました。
ようやく気づいた夫の負担
大浴場から戻ると、夫は娘がこぼしたジュースを拭いていました。「着替えさせたら、今度はトイレで……全然座れなかった」とため息をつく夫。「それ、昨日の私」と返すと、しばらく黙ったあと「自分だけ休んでいた。ごめん」と謝ってくれました。
チェックアウトまでは夫が娘を連れ出し、私はロビーで温かいコーヒーを飲めました。次の旅行では夫が娘の荷物リストを作り、荷造りも担当。ようやく私も、旅行を心から楽しみにできるようになりました。
夫に育児を任せる時間を作り、その負担を実感してもらったことにより、家族みんなが楽しめる旅行となるよう夫婦で準備するところから変わり始めました。
【体験者:32歳・主婦、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:佐藤 栄祠
大手メーカーの営業を経て、ライターに転身。会社員時代に培った経験と、組織の一員であるからこその“喜怒哀楽”をリアルに伝え、「誰かを癒したい」との思いが執筆の原動力。スピリチュアル関連情報にも精通しており、それらに傾倒する人の思いを描いたエピソードも好評。

