私だけ割り箸
義実家で食事をするとき、義母は夫や息子、自分の分には塗り箸を用意するのに、私の前に置かれるのはいつも割り箸でした。一度「私の箸は?」と尋ねてみると、義母は夫の見えないところで「あなたは他人だから」と言ったのです。
関係を悪くしたくない一心で、その場では何も言い返せません。夫に相談してみても、返ってきたのは「箸なんてなんでも良くない?」という一言だけでした。それからも義実家での食事のたびに、私だけが割り箸を使い続けていたのです。
親族が集まる食事会
そんなある日、義実家に親族が集まり、みんなで食事会をすることになりました。テーブルには仕出し料理が並び、この日ばかりは私の席だけでなく、全員分の割り箸が用意されています。
親戚のおばさんたちもそろい、みんなが席に着こうとしたそのとき、食卓を見渡した息子が「あ、ママのお箸がいっぱい!」と声を上げたのです。
息子の無邪気な暴露
不思議そうな顔をした親戚のおばさんが「ママのお箸って、どういうこと?」と聞くと、息子は「ばあばがいっつも『ママはこれね』って渡すの。僕とパパとばあばは、黒と青のシマシマのお箸だよ」と当たり前のように答えます。
その場にいた親族の視線が、一斉に義母へ向きました。義母は慌てたように「割り箸のほうが便利だから……」と言いましたが、息子は「じゃあなんでばあばは割り箸で食べないの?」と続けたのです。
黙り込んだ義母
すると親族から「まさか嫁いびり?」「このご時世そんなことしたらダメよぉ」と冗談まじりの声が上がり、食卓に笑いが起こりました。義母は顔を赤くしたまま、何も言わずに黙り込んでしまったのです。
私はその場では何も言えませんでしたが、次に義実家を訪ねたときには、私の分の塗り箸もきちんと用意されていました。それ以来、義実家の食卓で私の前に割り箸が置かれることはありません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

