来月の結婚記念日
翌月に結婚15周年を迎える私たち夫婦。ある日、娘がカレンダーを見ながら「お花買ってくるね」と言ってくれました。その横で夫は「あ、来月かぁ〜」と小さくつぶやいていました。
娘はそれを聞き逃さず「パパ忘れてたでしょ。パパって記念日とか大事にしない人なんだね」と言います。すると夫は意地になって「パパは記念日はなんでも覚えてる」と反論したのです。
記念日クイズ
そこで娘が「私の誕生日は?」「パパとママの結婚式の日付は?」と、家族にまつわる記念日のクイズを出し始めました。なんでも覚えていると言い切った手前、夫も引くに引けません。
しかし、夫が正解できたのは、10問中2問だけだったのです。答えられた問題は、私と娘の誕生日だけでした。結婚式の日付も、ほかの記念日も、答えはことごとく外れてしまったのです。
夫の言い訳
すると夫は苦し紛れに「そんな細かいこと覚えてなくても愛情はある」と言い出しました。そんな夫を見ながら私はふと、この15年を振り返っていました。
毎年、家族の記念日を気にかけてきたのは私のほう。結婚記念日のメッセージも、いつも私から送っていました。私が「私は全部覚えてる。あなたの分も」と静かに返すと、夫はそれきり黙り込んでしまったのです。
迎えた結婚15周年
翌月の結婚記念日、夫から「15年ありがとう。今日は早く帰る」とLINEが届きました。夫から記念日のメッセージが届いたのは、初めてのことです。
夕方、娘も約束どおり小さな花束を買ってきてくれました。そしてその隣で、夫も照れくさそうに花束を差し出したのです。娘が「パパも買ってきたの? お花いっぱいになっちゃったね」と笑うと、夫は「15年分には足りないけどな」と返します。私は思わず涙ぐみました。
後日娘から聞いた話ですが、あの夜、夫はスマホのカレンダーに家族の記念日を黙々と登録していたそうです。夫のそんな努力と、自分から記念日を祝ってくれたこと、そして娘と夫がくれた2つの花束は、忘れられない15周年の思い出になりました。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

