朝5時に起きろ!?
夫の職場には、何かにつけて自分のルールを押し付ける上司がいました。口癖は「できる社員は、家庭でも時間を無駄にしない!」。毎朝5時起床、食事は15分以内、休日も翌週の行動計画を立てるよう部下に指示していたそうです。
ある日、夫が「家庭を管理できない人間に、仕事の管理はできん! 奥さんにも協力してもらえ」と言われたらしく、突然「うちでも上司のルールを実践する」と宣言。冗談だと思っていた私は翌朝5時、「朝食は6時厳守! 15分以内に食べ終わるように準備して」と起こされ、あぜんとしました。
私はあなたの部下じゃない!
それだけではありません。夫は冷蔵庫に「我が家の行動管理表」を貼り、掃除、洗濯、買い物まで分刻みで指定。夕食が予定より5分遅れただけで「上司なら減点だぞ」と注意してきます。
「私はあなたの部下じゃないんだけど」と反論しても、「うちの上司はこれで成功しているんだ。少しは見習ってくれよ」と聞く耳を持ちません。
さらに休日には「家事の進捗報告を毎日提出してほしい」とまで言われました。しかも夫が家庭での様子を報告すると、上司から「奥さんの意識改革がまだ足りないな」と言われたとのこと。会ったこともない人にそこまで言われ、さすがに我慢の限界でした。
上司の妻からまさかの暴露
数日後、夫の上司が奥さんを連れて自宅近くに来る機会があり、4人で食事をすることになりました。私は例の「行動管理表」を持参。すると上司は「奥さん、旦那さんの成功は家庭の管理からですよ」と得意げに話し始めました。
そこで私は「では、奥様も毎朝5時に起きて、食事は15分以内、家事の進捗を毎日報告されているんですか?」と質問。すると奥さんは「えっ? 何それ。うちは夫が朝寝坊するから、朝食は各自で適当よ。休日なんて昼まで寝ていることもあるし」とあっさり暴露したのです。
私が行動管理表を見せると、「あなた、よその奥さんにこんなことまでさせているの!?」と奥さんもびっくり。上司は「いや、それは部下の教育の一環で……」としどろもどろになりました。
まず自分の家庭でどうぞ
私は上司に「それなら、まずご自身の家庭で実践されてはいかがですか? 私は夫の部下ではありませんので」と伝えました。すると奥さんからも「人の家庭を管理する前に、あなたは自分の脱ぎっぱなしの靴下を片付けなさい!」と追撃。夫も上司も黙り込んでしまいました。
帰宅後、私は冷蔵庫の行動管理表を夫の前で剥がし、「明日から朝5時に起きたいなら、自分で朝食を作って」と宣言。夫もようやく「確かに、家でまで押し付けることじゃなかった。ごめん」と謝ってくれました。
それ以降、わが家で上司のルールが登場することはありません。後日、上司も奥さんから生活態度を注意されたようで、職場でのマイルールの押し付けも以前より減ったそうです。
【体験者:40代・主婦、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:佐藤 栄祠
大手メーカーの営業を経て、ライターに転身。会社員時代に培った経験と、組織の一員であるからこその“喜怒哀楽”をリアルに伝え、「誰かを癒したい」との思いが執筆の原動力。スピリチュアル関連情報にも精通しており、それらに傾倒する人の思いを描いたエピソードも好評。

