私の知人・由美さん(仮名)は、離れて暮らす父とは普段あまり連絡を取り合っていません。ところがある時期から、父が突然、大量のレトルト食品を何度も送ってくるように。不思議に思いながら受け取っていた由美さんでしたが、その後思いがけない出来事が起こって……?

父から突然届いた荷物

私と父は離れて暮らしており、普段から頻繁に連絡を取り合うような親子ではありません。特にこれといった用事がなければ、しばらく話さないことも珍しくありませんでした。

そんなある日、自宅に父から大きな荷物が届きました。事前に何も聞いていなかったため、不思議に思いながら箱を開けてみると……中にはレトルトカレーや丼もの、スープなど様々な食品が。

私は驚き、「届いたけど、急にどうしたの?」と連絡してみても、父は「まぁ、美味そうだったから」と答えるだけです。普段はこんなふうに荷物を送ってくることもなかったので、どうしたんだろうと思っていました。

増えていくレトルト食品

しかも、それで終わりではありませんでした。その後も父からは、数回に分けて大量のレトルト食品が送られてきたのです。最初はありがたく受け取っていたものの、次第に収納場所にも困るほどの量に。(ありがたいけど、こんなに食べきれないんだよなぁ……)と、正直少し迷惑に感じていました。

しかし、そんな矢先のこと。夫が突然体調を崩し、長期入院することになったのです。

慌ただしい毎日のなかで

夫の入院後、私は仕事をしながら子どもたちの世話をし、さらに面会にも通う毎日。慌ただしく過ごすなかで、食事をゆっくり作る余裕などありませんでした。

そこで役に立ったのが、父から届いていた大量の食品です。買い物へ行けない日でも、家にあるものですぐに食事を用意できました。少し持て余していたはずの食品が、このときばかりは本当にありがたく、わが家の食事をしばらく支えてくれたのです。

父に理由を尋ねると……

生活が落ち着いた頃、私は父に「あのとき送ってくれたもの、本当に助かったよ。でもなんで急にあんなに送ってきたの?」と改めて尋ねました。父は少し考えてから、「……分からん。なんか、送っとかないとって思ったんだよなぁ」と答えました。

もちろん、単なる偶然だったのかもしれません。それでも、普段そんなことをしない父が、あの時期だけ何度も送ってくれたことが今でも不思議なのです。父から届いたたくさんの食品は、困ったときに家族を支えてくれた、忘れられない『贈り物』になりました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

This article is a sponsored article by
''.