不妊治療をしていると知られ
私は先月、今の勤務先の薬局に転職しました。それまでは正社員で働いていましたが、本格的に不妊治療をするためにパート勤務に切り替え、勤務時間を減らすことで心身の負担を減らしたかったからです。まだ職場の人とは深い話をできるような関係ではなく、治療のことは言わずに過ごしていました。
しかしある日ちょっとしたことから、不妊治療中であると知られてしまいました。するとお局パート薬剤師のMさん(女性・50代)が「転職と同時に不妊治療するなんて……今の若い子は本当に非常識ね」と言ってきたのです。
分かってて転職するなんて
「すみません、でも治療のことは伝えたうえで採用してもらいました」と私が言うと、Mさんは「そりゃあ表向きはダメとは言わないでしょ。ここは人手不足だから」と言います。
さらに「不妊治療中って何かと配慮が必要でしょ。それで妊娠しても配慮して、産休に入ったらまた人手不足。そうなるのが分かってて転職するなんて図々しすぎるでしょ」と声を荒げました。
上司がフォローしてくれて
そこへ騒ぎを聞きつけた薬局長がやってきて話し始めました。「Mさん、ずいぶんとひどいことを言うんですね。治療に苦しんでいる患者さんにも同じようなことを言えますか?」
そして「彼女を応援できないあなたのほうが、よっぽど非常識です。普段から他人に配慮することを心がけてくださいね」と厳しい口調で言ってくれたのです。
日ごろから配慮を
Mさんは青ざめた顔で「すみませんでした」と謝罪。薬局長は「治療のために転職するのは勇気が要ったでしょ。静かに応援しているから、無理しないでね」と言ってくれました。
その後、Mさん含め誰も私の不妊治療については触れてきません。治療の有無にかかわらず、誰に対しても日ごろから配慮は必要だと気付かされる出来事でした。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:伊村 えりか
薬剤師歴12年。就業を通じて多くの人生や、悩み、奇跡などに直面し、それらを伝えるべく執筆活動を開始。職場や同世代の女性との会話をもとに、医療現場の裏側から家族の「あるある」まで、多岐にわたるテーマで執筆を手がける。子育てサイトのアンバサダーを務め、身近な視点を活かしたコラムを執筆中。

