筆者の友人・ななさん(仮名)の夫は、とにかく食にうるさく、お気に入りの店では「今日はいつもと味が違う」と変化にもすぐ気づく自称グルメ通。今回はそんな夫が、鋭すぎる味覚を思わぬ形で試されることになったエピソードを紹介します。

夫は自称グルメ! お気に入りの店では評論家気取り

私の夫にはお気に入りのラーメン店があります。月に何度も通っているため、本人はすっかり常連のつもり。「俺の好み分かってるから」「昔はもっとスープが濃かったんだよ」と、私にお店の歴史や味の変化まで語るのは日常茶飯事でした。

「俺くらい通ってるとわかるよ」夫は今日も得意げ

その日も夫は、「今日は絶対、塩ラーメン。最近ちょっと味が変わったから」と注文しました。私が「よくわかるね」と言うと、「俺くらい通ってるとわかるよ」と得意げな様子。

ところが、ラーメンを一口食べると、「やっぱり今日も少し違うな。麺も変えた?」と店主に尋ねました。

店主のひと言に夫が沈黙

すると店主が、「いえ、いつもと同じですよ」とひと言。「……え?」「今週は一度もレシピを変えてませんよ。ちなみに前回も『今日は味が違う』とおっしゃってましたけど、あの日も同じです」

思わず吹き出してしまった私をよそに、夫は完全に沈黙。さすがに何も言い返せなかったようでした。

最後にたどり着いた答え

店を出たあと、私が、「さすがグルメ。毎回同じ味を違う味に感じるんだね」と笑うと、夫は「……俺、味じゃなくて気分で食べてるのかもしれない」と苦笑。

それ以来、店で評論家のように語ることは少し減りました。ただ、ラーメンを食べ終わると、「でも今日のはうまかった」とだけ言うようになったのでした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:中條みき
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

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