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今回は、洋菓子店で働く友人の里奈さん(仮名)から聞いた出来事をご紹介します。誕生日という特別な日を彩るケーキを巡り、店内は思わぬ空気に包まれました。理不尽な要求に戸惑う店員と、感情的になるお客さま。そこで、小さな娘が口にしたのは……?

誕生日ケーキで起きた思わぬトラブル

週末の午後、予約されていた誕生日ケーキを受け取りに来た親子を対応しました。箱を開けて仕上がりを確認していただいた瞬間、お母さんの表情が一変したのです。「名前の漢字が違う! こんなケーキ、誕生日に出せないでしょう!」

店内に響くほど大きな声に、私は慌てて謝罪しました。そして予約票を確認すると、プレートには注文書へ記入された通りの漢字が書かれていました。私は予約票をお見せしながら「こちらの内容でお作りしております」と丁寧に説明しましたが、お母さんは納得しません。

「お客の書き間違いくらい気づくのがプロでしょう!」その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられるような気持ちになりました。

理不尽な要求に戸惑うしかなかった

完成したケーキをその場で作り直すことはできません。私は、新しいチョコレートプレートをご用意する方法をご提案しました。

ところが、お母さんはさらに声を強めます。「ケーキ代も無料にして、新しいものを家まで届けてください」周りのお客さままでこちらを見るほどの騒ぎになり、私は冷静さを保とうと必死でした。

何度説明しても聞き入れてもらえず、「本当にこれ以上できることはないのだろうか」と考えながら立ち尽くしていました。その場の空気は重く、時間だけが長く感じられました。

娘のまっすぐなひと言

そのときでした。黙って予約票を見つめていた娘さんが、小さな声で言ったのです。「これ、ママの字だよね」お母さんは慌てて「店員さんが確認しなかったのが悪いの」と返しました。

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