折りたたみ傘を持ち歩く習慣がない人は、ついコンビニでビニール傘を買ってしまうことがあるのではないでしょうか。置き傘をしていても、外出先で突然の雨に降られ、駆け込んで購入した経験は誰しもあるはずです。今回は、傘にまつわる私のお客様のエピソードをご紹介します。
夫とビニール傘
私の夫は、何度注意しても傘を持たずに出勤します。朝から小雨が降っていても「大丈夫だ」と言い張り、結局帰宅時にはコンビニで購入したビニール傘を手にしているのです。
しかもその傘は一度使っただけで玄関の門前に放置。翌日にはまた新しいビニール傘を買って帰る、の繰り返し。玄関先にはいつしかビニール傘の山ができ、見ているだけでため息が出ました。
警察からの忠告
私はついに堪忍袋の緒が切れ、「次にビニール傘を買ってきたらお小遣いなしにする」と夫に告げました。しかしそれでも夫は懲りずにまたビニール傘を持って帰宅。呆れるばかりでした。
そんなある日、近所で空き巣事件が発生。警察がパトロール中、我が家にやって来て「玄関先が散らかっている家は狙われやすい」と忠告したのです。夫もようやく事態の深刻さに気づき、たまったビニール傘を処理する決意をしました。
玄関から悲鳴
そしてやってきた週末。夫が重い腰を上げ、玄関先に積み上げられた傘を片付け始めたその時。突然夫の悲鳴が響きました。
まさか空き巣犯と鉢合わせしたのかと緊張しながら門前へ駆けつけると、そこにいたのは夫一人だけ。「どうしたの?」と尋ねると、夫は震える声で「これが……」とビニール傘の山を指さしました。そこにはなんと虫の卵がびっしりと産み付けられていたのです。
長期間放置されたビニール傘は湿気を含み、虫にとって最高の住環境になっていたのでしょう。虫が大の苦手な夫は、その光景にすっかり打ちのめされていました。
夫と折り畳み傘
それ以来、夫はビニール傘を見るたびにあの卵の群れを思い出してしまうと言います。恐怖心が強烈な抑止力となり、今では折り畳み傘を常に持ち歩くようになりました。
玄関先もすっきり片付き、警察の忠告に応えるかたちにもなりました。虫の卵という強烈な体験が、ようやく彼を折り畳み傘派へと変えたのです。
小さな習慣の乱れが、思わぬ大きな問題を招くこともある。だからこそ日々の暮らしを整えることが、心の安定や家族の安全にもつながるのだと感じた出来事でした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

