子どもの体調不良が重なり、肩身の狭い日々
私は30代の会社員で、小さな子どもを育てながらフルタイムで働いています。ある月、子どもの保育園の行事や突然の高熱、さらに看病していた私への風邪の感染などが不運にも重なってしまいました。
どうしても出勤できない日が続いてしまい、私は毎日、職場への申し訳なさで胸がいっぱいでした。「また周りに迷惑をかけてしまった……」と、朝一番に謝罪の連絡を入れるたび、胃がキリキリと痛み、肩身の狭い思いで心を痛める日々が続いていたのです。
「休みすぎじゃない?」
なんとか子どもが回復し、久しぶりに出勤できた日のことです。50代の男性上司から個別に呼び出しを受けました。
上司は大きなため息をつきながら、嫌味を交えて冷酷に言い放ったのです。 「〇〇さん、ちょっと休み過ぎじゃないか? こんなに熱を出すなんて、一度子どもを大きい病院で診てもらったほうがいいんじゃないか?(笑)」
子どもが一番辛い時期に、必死で仕事と看病をやりくりしていた努力を、まるで「自己管理不足」だとバカにされた瞬間でした。私は悔しさと悲しさで、ただ唇を噛み締めて耐えるしかありませんでした。
数年後に上司の態度が一変した理由
それから数年が経ち、我が子も大きく成長しました。私は変わらず同じ職場で働き続けていましたが、ある時、あの嫌味だった上司に「待望の初孫」が誕生し、あれだけ冷酷だった上司の態度が180度一変したのです。
娘さんが里帰り出産し、上司は孫の育児を間近で手伝うことに。そこで初めて上司は、小さな子どもがどれだけ頻繁に熱を出すか、そして親がどれだけ寝ずに看病しているかという「本当の現実」を知ることになりました。
安心して働ける職場へ
ある日、上司が私の席へやってきました。そして真剣な顔でこう言ったのです。 「〇〇さん、昔は本当に酷いことを言ってすまなかった。孫を見て初めて、当時の君がどれだけ大変だったか分かったよ」
現在のその上司は、かつての姿からは想像もつかないほど温かい人へと生まれ変わっています。職場で誰かの子どもが熱を出すと、上司が真っ先に「仕事はいいから早く帰りなさい! 子どもは熱を出すのが仕事なんだから!」と周囲を巻き込んでフォローしてくれるように。今の職場は、誰もが安心して働ける最高の環境になりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務経験を持つ。育休をきっかけに、女性のワークライフバランスに問題意識を持ち、ライター活動を開始。育児、ライフスタイル、スポーツなどが得意テーマ。

