大人になってから新しい趣味を見つけるのはなかなか難しいものです。仕事や家事、育児の時間をやりくりしなければならず、時間や場所も自分に合うものを見つけるのはかなり大変です。今回は私のお客様の、趣味にまつわるエピソードをご紹介します。
新しい趣味
私は40代になってから、近所の中学校で開かれるママさんバドミントンに参加するようになりました。女性だけの集まりだったため、束縛の強い夫も安心して送り出してくれたのです。
仕事や家事、育児の合間に仲間と汗を流す時間は、私にとって心の支えとなり、かけがえのないものでした。
退部宣言
しかし数か月が過ぎた頃、私は家族に「バドミントンを辞める」と告げました。夫は「いじめられたのか」と心配しましたが、私は「仕事や家事、育児の後に運動するのが体力的にしんどい」と返答。
それでも夫は納得せず、私が本当は人間関係に悩んでいるのではないかと疑い続けたのです。
部活最終日
最後の練習日、夫は私に内緒で体育館へ。そして全部員の前で「妻をいじめているのは誰ですか? 大人になってまでそんなことして恥ずかしくないのか!」と詰め寄ったのです。動揺する部員たち。私は仲間を守るために真実を打ち明けました。
「体育館にこの世のものではない存在を感じるの。最初は気のせいかと思ったけれど、回を重ねるごとに距離が近づいてきて、もう耐えられない」と。すると数人の部員も同じような体験をしていると語り始めました。
その直後、誰もいない倉庫から大きな音が響き、バスケットボールのカゴが倒れてボールが散乱。夫が勇気を出して片付けましたが、霊感のない彼でさえ何かの気配を感じたようでした。
再出発とある不安
その後、複数の部員のカミングアウトのお陰で、活動場所は新しい公民館のスポーツセンターへ移されました。私は辞めることなく現在も仲間とバドミントンを続けています。あの体育館で感じたものが何だったのか、今も答えは出ていません。
一つ確かなのは、趣味を通じて得た仲間との絆は私にとってかけがえのないものであり、恐怖を乗り越えて今もラケットを振れることが大きな喜びだということです。
しかし、現在小学生の娘が将来進学するのはあの中学校。私の活躍する姿を見て同じくバドミントン部に入りたいと言っている娘。その言葉を聞くたびに誇らしさと同時に不安も胸をよぎります。どうか娘の身に何も起こらないことを願うばかりです。
【体験者:40代・パート勤務、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

