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これは、同僚の千絵さん(仮名・30代女性)の体験談です。自転車で通勤していたある日、突然、髪を引っ張られる感覚がありました。「不審者?」と恐怖を感じた千絵さんは、そのまま必死に逃げようとします。しかし赤信号で止まった瞬間、さらに強く引っ張られて転倒。振り返った先にいた“まさかの存在”に、言葉を失いました。

背後に迫る不穏な気配

私は普段、自転車で職場まで通勤しています。その日もいつも通り住宅街を走っていると、後ろ髪を「ぐいっ」と引っ張られたような感覚がありました。しかし最初はリュックに髪が引っかかったのだろうと思い、そのまま走り続けていたのですが……

数秒後に、また同じように後ろへ引かれました。しかも今度は、はっきり誰かに触れられたような感覚だったのです。不審者という言葉が頭をよぎり、私は急に後ろを振り返るのが怖くなりました。

逃げ場のない赤信号

私はとにかくその場から離れたくて、ペダルを踏む足に力を込めました。後ろを確認する勇気はなく「早く人通りの多い場所まで行こう」と、そればかり考えていたのです。

ところが運悪く、前方の信号が赤に変わってしまいました。仕方なく停止したものの、背後の気配は消えません。横に並んだ車の運転手たちがこちらを見ている気がして、余計に落ち着かなくなりました。

誰かが異変に気づいているのか、それとも気のせいなのかも分からず、ハンドルを握る手が、いつのまにか汗ばんでいました。

突然の転倒と羽音

信号が変わるのを待ちながら、私はできるだけ後ろを見ないようにしていました。すると次の瞬間、今までよりも強い力で「ぐいっ」と髪を引っ張られたのです。思わず前のめりになり、その拍子にバランスを崩した私は、自転車ごと倒れてしまいました。

膝に鈍い痛みが走り、慌てて顔を上げると、聞こえてきたのは、人の足音でも声でもありませんでした。「バサバサッ」という大きな羽音が頭上で響き、私は地面に手をついたまま、恐る恐る後ろを振り返ったのです。

恐怖の正体に騒然

なんとその先にいたのは、黒い一羽のカラスでした。しかも私の近くを低く旋回しながら、何度もこちらを気にするように鳴いています。その瞬間、私はようやく自分の髪につけていたキラキラとしたヘアゴムに気づきました。

「え……さっきまで私を引っ張ってたの、カラス!?」と思った途端、一気に全身の力が抜けました。不審者ではなかったことに胸をなでおろしながらも、必死に逃げ続けていた自分がひどく恥ずかしくなってしまったのです。そして私は、通勤中に目立つアクセサリーはつけまいと心に決めたのでした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

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