育休からの復帰後、バタバタの毎日
育休から復帰し、フルタイムで働きながら1歳の息子を育てていた時のことです。毎日が時間との戦いで、特に頭を悩ませていたのが夕食作りです。
できる限り手作りのものを食べさせたいと思ってはいましたが、まだ食べムラもある1歳児。なぜか手をかけて作ったものほど食べないこともあり、今夜は何を作ろうか、日々悩んでいました。
翌日の残業に備え、惣菜を提案
ある日、翌日に残業が入ることになってしまいました。帰ってから作るのはかなりきついとわかっていたので、夫に「明日残業になったから、お惣菜買ってくるか外食にしない?」と提案しました。すると帰ってきたのは、思いもよらないひと言でした。
「なんで? 金かかるじゃん。うちの母ちゃんは毎日作ってたけど」疲れていることも時間がかかることも理解してもらえず、さらには義母との比較まで。モヤモヤしましたが、お金がかかることは事実だったので、その日は何も言い返しませんでした。
夫に反撃
翌日、私は朝からできる限りの仕込みをして、残業後に何とか夕食を作りました。でもその後の余力はゼロ。シンクには洗い物が山積みです。
夫がいつも通りソファでくつろぎ始めたので、ここで反撃を試みました。「食器洗いよろしくね。生ごみの処理も。あと洗濯機を仕掛けてるから、止まったら干して」
夫は呆気に取られたような表情で、「え? なんで俺? 」と言うので、こう返しました。「私の家ではお父さんが食器洗いと洗濯の担当だったんだ。私はあなたのお母さんを見習って、きつくてもご飯作ったからさ」
平謝りの夫
夫は自分の発言を思い出したようで、「いや、あれは普通にそう思ったから言っただけで……」と言い訳。「違う家庭で育ってるから仕方ないと思うけど、人と比べられるのはあまり気分いいものじゃないよ」と私は自分の思いを伝えました。
しばらく沈黙したあと、「……ごめん」と謝り、食器を洗い始める夫。それ以来、「うちの母ちゃんは……」と比較されることはなくなりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2021年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:小橋美月
マスコミ業界に16年勤務。業界で培った原稿執筆のスキルを活かし、ライター業へ。さまざまな職種、ライフスタイルの人への取材を通じた、「生きたエピソード」が強み。働く女性の葛藤や子育て、夫婦関係など、実体験に基づいたリアルな物語を届ける。

