「買い物が下手」と私を無能扱いする夫
私は、昨今の物価高の中でいかに食費を抑え、かつ栄養のある食事を作るか、毎日頭を悩ませていました。しかし、家事を一切しない夫は、家計簿を見るなり信じられない言葉を放ったのです。「お前の買い物が下手なだけだろ。俺なら今の半額で済ませられるぞ。主婦失格じゃない?」
自分の苦労を鼻で笑い、無能扱いしてくる夫。カチンときた私は、「じゃあ、今週の買い出しと献立はすべてあなたに任せるわ」と1週間分の予算を手渡し、家事ストライキを決行することにしました。
「肉とお菓子」だらけの茶色い食卓
夫は「余裕だね」とドヤ顔でスーパーへ向かいました。数時間後、大量のレジ袋を下げて帰宅した夫が買ってきたのは、特売の脂っこい肉とカップ麺、そして自分用のお菓子ばかり。野菜や魚は一切ありませんでした。
週の半ばになると、食卓は連日「茶色いおかず」ばかりに。最初は喜んでいた子どもたちも、すぐに「またこれー? 野菜食べたい」とウンザリして箸を止めるようになりました。夫は気まずそうにしていましたが、本当の大事件は食事以外の場所で起きたのです。
トイレから響いた「絶望の叫び」
ある日の夜、トイレに入った夫が突然、悲鳴のような声を上げました。「おい! トイレットペーパーがないぞ! 予備はどこだ!?」
夫は「買い物=食べるものを買うこと」としか考えておらず、洗剤やトイレットペーパーといった、生活に欠かせない「日用品」の補充を完全に忘れていたのです。しかも、渡した予算はすでに自分のお菓子代や肉代で底を突いていました。
名もなき家事の重みを知った夜
「予備はないわよ。予算も使い切ったんでしょ? 自分で買いに行けば?」と、私はドア越しに冷たく言い放ちました。結局、夫は自腹を切って深夜のコンビニへ走り、割高なトイレットペーパーを買う羽目に。
翌朝、夫はげっそりした顔で「買い出しって、ただ食べたいものを買うだけじゃなかったんだな……。栄養バランスも日用品の在庫管理も、あんなに大変だなんて知らなかった」と深く反省。
それ以来、私の買い物や家計のやりくりに一切文句を言わなくなり、感謝の言葉を口にするようになりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

