「肉体労働は大変ね」夫の仕事を下に見るママ友
私には、同じ保育園に通う少し苦手なママ友がいました。彼女の口癖は「うちの主人は外資系ITコンサルだから」。常にハイクラスな生活を匂わせ、周囲を見下すような態度をとっていました。
ある時、私の夫が造園業、いわゆる庭師であることを知ると、彼女は「えっ、泥だらけになって働く肉体労働!? 大変ね〜。うちはずっと冷房の効いたオフィスで頭を使う仕事だから、想像もつかないわ」と、あからさまに鼻で笑いながらマウントを取ってきたのです。
園庭整備ボランティアで見せた「差」
そんなある週末、保育園で「園庭の環境整備ボランティア」が開催されました。枯れ木の伐採や花壇作りなど、力仕事が必要なイベントです。
ママ友の夫も、高級なブランドのアウトドアウェアに身を包んで颯爽と登場。最初は「パパたちのリーダーシップを見せないとね」と意気込んでいましたが、いざ作業が始まると、スコップの使い方もおぼつかず、すぐに手にマメを作って「こんなの素人のやる事じゃないな……」と弱音を吐いてばかり。
周囲のパパたちも、口だけで動かない彼に少し困惑気味でした。
プロの顔つきに変わった私の夫
一方、私の夫は現場に入るなりプロの顔つきに変わりました。持参した道具を使いこなし、圧倒的な手際で作業を進めていきます。
特に危なかった大きな枯れ木の伐採では、周囲の安全を確保しながらテキパキとお父さんたちに指示を出し、あっという間に完璧な処理を終えてしまいました。
さらに、荒れていた花壇を魔法のように美しい造形へと整えていく姿に、周囲からは「おおっ!」「すごい!」と歓声が上がりました。
園長先生の絶賛と、逃げるように去るママ友
作業が終わると、園長先生が駆け寄ってきて「さすがプロ! あなたのおかげで子どもたちが安全に遊べます。本当にありがとうございました!」と夫を大絶賛。他のお父さんたちからも「師匠、コツを教えてください!」とヒーロー扱いされました。
そんな中、端の方で居心地が悪そうに下を向いているママ友夫婦の姿がありました。自分の活躍を見せつけたかったのに、何もできず立ち尽くすしかなかったITコンサルの夫と、「泥だらけの仕事」とバカにしていた相手が誰よりも尊敬を集めている事実に顔を真っ赤にするママ友。
彼女は一言も発することなく、逃げるようにその場を立ち去っていきました。翌日から、私への仕事マウントは一切なくなり、夫の技術が誇らしくてたまらない最高のスカッと体験でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

