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誕生日や祝日は自分で選べないものですが、記念日は自分たちで決められる自由があります。結婚記念日もそのひとつで、一般的には付き合い始めた日やプロポーズの日、入籍日などを選ぶ人が多いようです。ただ、中には少し変わった理由で日付を決める人もいるようで……今回は、私のお客様のエピソードをご紹介します。

大好きだけれど

私には長く交際している恋人がいました。彼はシステムエンジニアとして働いており、常に激務で深夜残業は当たり前。祝日や土日であっても、バグが発生すれば即座に出勤する日々。

私は彼を心から大切に思っていましたが、誕生日やクリスマスを何度もドタキャンされた経験が積み重なり、結婚を考えると不安が拭えませんでした。

プロポーズ

そんなある日、彼からプロポーズを受けました。嬉しさと同時に、結婚後も記念日をないがしろにされるのではないかという懸念が頭をよぎります。

私は勇気を出して「今後も多忙で記念日をドタキャンされるなら結婚はできない」と伝えました。すると彼は「結婚記念日だけは必ず有給を取る」と約束してくれたのです。その言葉に彼の本気度を感じ、私はプロポーズを受け入れました。

記念日の裏側

その後、両家への挨拶や式場選びを経て、彼が指定した日に婚姻届を提出。役所を出た帰り道、私は「なぜ今日にしたかったの?」と尋ねました。

すると彼は「今日は社員全員が有休なんだ」と答えたのです。「会社の設立記念日とか?」と聞くと「違う」と言い、理由を教えてくれました。

「今日は原因不明のエラーが頻発する日で、昔、会社のビルで仕事を苦にした人が飛び降りた日なんだ。あまりにエラーが起きて仕事にならないから今日は全社員が有休なんだよね」と。それを聞き、私は複雑な気持ちになりました。

結婚記念日に必ず休みを取ってくれるという約束は嬉しいものの、その背景が思いもよらぬ出来事に結びついていたのです。

毎年やってくる記念日

現在、彼は転職し、以前ほどの激務ではなくなりました。私たちは平穏な日々を過ごしています。

それでも結婚記念日が近づくと、私の胸には複雑な感情がよみがえります。記念日の由来を思い出さずにはいられないのです。毎年、見知らぬ誰かの冥福を祈りながら、今年も無事に結婚記念日を迎えられたことに感謝しています。

誰かにとっての人生で一番幸せな日が、別の誰かにとっては人生で一番悲しい日でもある。だからこそ、特別な日だけでなく、日々の小さな幸せにも感謝し続けたいと改めて実感しました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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