なかなか進まないトイトレ
私は3歳の息子を育てています。そろそろおむつを卒業する頃だと思い、トイレトレーニングをしている最中です。ただ、これがなかなか思うようにいきません。まずトイレに座らせるのもひと苦労なのです。ようやく座ってもタイミングが合わず、そのまま終わることもしばしば……
「焦らなくていい」と分かっていても、周りの様子が気になってしまう時期でもありました。
ママ友から予想外のひとこと
そんなある日、幼稚園のママ友・麻里さん(仮名)と立ち話をしていたときのことです。麻里さんの第二子である娘は、私の息子と同じクラス。自然とトイトレの話題になり、私が「まだなかなか進まなくて……」と話すと、麻里さんは少し驚いたように言いました。
「え? うちの子、3日で終わったよ〜!」「今日からおむつ卒業ねって言ったら、一度も漏らさないの!」あまりにもあっさりした言い方に、私は素直に「すごいね」と返しました。すると麻里さんは、さらっとこう続けたのです。「トイトレの何がそんなに大変なの?」
その言葉に、胸の奥がチクッとしました。(頑張っても上手くいかないから、困ってるんだけどな……)そう思いながらも私はうまく言葉にできず、その場では曖昧に笑っていました。
思い出した『過去の自分』
それからしばらくして、また麻里さんと園で顔を合わせたときのことです。「この間ね、上の子のアルバム見返してたらさ……」と、彼女がふと思い出したように話し始めました。そして少し笑いながら続けます。「あの頃の私、トイトレ全然うまくいかなくて、めちゃくちゃ悩んでたみたい」
私は思わず「え、そうなの?」と聞き返しました。すると麻里さんは照れたように、「そうそう。全然進まないって書いてあってさ」「何年も前のことだったから、すっかり忘れちゃってた……ごめんね」と話してくれました。
少し軽くなった気持ち
その言葉を聞いたとき、肩の力がふっと抜けた気がしました。そして「やっぱり子どもによって全然違うよね」と、自然に笑い合うことができました。
成長のペースは、本当に子どもによってさまざまです。一見うまくいっているように見える人でも、振り返れば悩んでいた時期があるのかもしれません。あのときのやり取りは、そんな当たり前のことに改めて気づかせてくれました。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

