無神経なマウントの嵐
たまたま仕事が早く終わり、断る理由が見つからなくて参加してしまったランチ会。カフェに響くCさんの高い声に、私は心の底から後悔していました。 ママ友付き合いは基本的に苦手なのです。
Cさんは、SNSで「無添加・オーガニック・丁寧な暮らし」でマウントをとると有名でした。仕事から帰宅して夕飯まで時間がなく、パスタを茹でて市販のソースをかけるだけの時もあるという話をすると、Cさんは「適当な食事になっちゃうよね、子供たちかわいそうだね」と。
暴走する「愛され妻」自慢
さらに会計時、私が財布を出すと、横から私の手元を覗き込んで、「お財布ぱんぱんだからお金持ちなんだなーって思ったら、レシートだったのね。共働きよね? ご主人お金くれてる?」と。人の財布を覗き込んでまで「愛され度」を競う彼女の非常識さに、周囲も凍りついたその時。
「 遅れてごめん! もう解散かと思ったけど顔見るだけでもと思って来ましたー!」 と、明るい声でママ友Kさんが現れました。
救世主登場で暴かれる本性
息を切らして席についたKさんは、Cさんの顔を見るなり、目を輝かせました。「あれ、Cさん! さっきスーパーの『見切り品コーナー』で見かけたよ! 声かけられなかったけど」Cさんの顔つきが一瞬で変わりました。
「え、何言ってるの? 私がスーパーの、しかも見切り品なんて……」「え、 あの時、半額シールが貼られるのを待ってたでしょ。安く買えるし待っちゃうよねー。あ、そのバッグの中にあるの、さっきの半額のお惣菜? いいなぁー」
「これは、お手伝いさんに頼まれて、仕方なく!」Cさんはそう叫ぶと、「あ、急に幼稚園から呼び出しが……!」と、鳴ってもいないスマホを耳に当てて、逃げるように店を飛び出していきました。
呆気にとられる私と他のママ友。 Kさんは「急にどうしたんだろう」と不思議そうにしていました。
見栄よりも大切な「心の余裕」
見栄という名のメッキが、こんなにもあっけなく剥がれるのを初めて見た瞬間でした。他人の財布を心配する暇があるなら、自分の心の空洞を埋めればいいのに。私は、Cさんがいなくなった後の清々しい空気の中で帰路につきました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:M.Mochizuki
大学卒業後、薬剤師として勤務。第二子の出産をきっかけに、ファイナンシャルプランナーやオンライン秘書などにも転身。それらの経験を経て、出会った人間模様や教訓を記事として執筆中。特に、夫婦関係や子育て、家族の在り方をテーマに生活者のリアルに寄り添うコラムを得意とする。

