夫の趣味と買い替えの頻度
私の夫は、ゲームやスマホ、パソコンなどの機器類が好きです。新しい機種が出るとすぐに気になり、タイミングが合えば買い替えることも多いタイプです。私は正直なところ、(そんなに頻繁に変えるほど違いがあるのかな……)と思うこともありました。
でも、夫が自分で働いて得たお金で買ったもの。強く口出しすることはせず、「好きなんだなぁ」と受け止めるようにしていました。
「買っていいよ」と言われて
あるとき、夫にボーナスが出ました。その日は義妹が家に遊びに来ていて、みんなで何気なく話をしていたときのことです。スマホを最新の機種に買い替え満足そうにしていた夫ですが、その流れでふとこう言ったのです。「紘子も欲しいものあったら買っていいよ!」
思いがけないひとことで、私は嬉しくなりました。そこで少し考えて、「じゃあ、オーブンを新しくしたいなぁ」と、前から気になっていたことを口にしてみました。壊れたわけではないけれど、今使っているものは料理をする際に不便を感じることもあったからです。
夫からの思わぬ反応
すると夫は、少し意外そうな顔をして言いました。「え、オーブン……? まだ使えるでしょ。新しく買うほどなのかなぁ?」その言葉を聞いたとき、私は内心モヤっとしてしまいました。(好きなもの買っていいって言ったのに……)(しかもオーブンって、毎日の料理で使うものなのに)
個人の趣味で使う最新のスマホと、生活で使う家電。同じ『買い替え』でも、意味は少し違う気がしました。
義妹からの鋭いツッコミ
そのまま何も言えずにいたとき、横で話を聞いていた義妹が、くすっと笑いながら口を挟みました。「お兄ちゃんの、あの頻繁に替わるスマホのほうがそう思っちゃうけど〜」夫が「え?」と振り向くと、義妹はさらに続けます。「最新機種って言ってもさ、そんなに使いこなせてるの?」
そのひとことで夫は言葉に詰まり、「いや〜、まぁそれは……」と苦笑い。その場に、ふっと笑いが広がりました。言い返したかった気持ちを、義妹がさらっと代わりに言ってくれて、私は少しだけ気持ちがすっとしました。
そのあと夫は考え直したようで、ボーナスで新しいオーブンを買ってくれました。お互いにとっての『好きなもの』と『必要なもの』。そのどちらも同じように大事にできたらいいなと感じた出来事でした。
【体験者:30代・専業主婦、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

