否定されても、踏み出した一歩
私は、結婚後ずっと夫のある口ぐせに悩んでいました。「どうせ続かないでしょ」「無理じゃない?」本気で止めるわけではないけれど、何を始めても最後に水を差される。そのたびに、やる気が少しずつ削がれていくのを感じていました。
そんな中、私は在宅でできる副業ライターに挑戦することを決め、思い切って夫に話してみたものの、返ってきたのはやはり同じ反応でした。「へえ、でもそんなので稼げる人って一部でしょ」
やる前から決めつけるその態度に、強いモヤモヤを抱えていました。
認められなくても、続けた日々
それでも私は言い返さず、黙々と作業を続けました。最初は数百円の記事からのスタートで、時間もかかり、修正も何度も入ります。思うように進まない日も少なくありませんでした。
夫には途中経過を話すのをやめ、「続けること」だけに集中しました。やがて継続案件が増え、収入も安定し、気づけば毎月数万円の副収入が当たり前に。
それでも夫は気づかないのか、「そんなの趣味みたいなもんでしょ」と相変わらず軽く言い続けていました。
通帳を見せた、その瞬間
ある日、夫がふとつぶやきました。「今月、ちょっと小遣い厳しいんだよな」その一言で、今なら言ってもいいかもしれないと、私の中に変化が生まれました。
私は静かに通帳を取り出し、夫の前へ。「これ、副業の分」そこに並ぶのは、ここ数ヶ月分の入金履歴。合計額は、夫の小遣いをはるかに上回る金額でした。
夫は一瞬固まり、何度も見直しながら、ぽつりと一言。「……これ、本当に?」
「どうせ無理」を黙らせた日
それ以来、夫はあの口ぐせを一切言わなくなりました。代わりに「仕事どう?」と、少し興味を持つような聞き方で尋ねてくるように。あのとき言い返さなかった分、結果で示せたことで、少しスッキリしました。
おそらく夫が大きく変わることはないと思いますが、少なくとも「どうせ無理」とはもう言わないはずです。
【体験者:30代・会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

