義実家に通う週末
私は週末になると子どもたちを連れて、家族で義実家へよく遊びに行っています。義両親は孫に会えるのを楽しみにしてくれていて、子どもたちも「今日はじいじばあばの家!」と毎回嬉しそうにしていました。そんなふうに、週末の訪問はいつの間にか当たり前の習慣になっていました。
カレンダーが真っ白な理由
義実家のリビングの壁には、大きなカレンダーが掛けられていました。家族みんなが予定を書き込めそうな、よくあるタイプのものです。けれど、いつ見てもそこには何も書かれていません。予定のメモや丸印なども一切なく、真っ白なままでした。
不思議に思い、私は一度聞いたことがありました。「ここ、予定とか書かないんですか?」すると義両親は、あっけらかんとこう言いました。「予定はちゃんと覚えてるから大丈夫! 書き込むとなんか見た目が悪いしね〜」
私は(そういうものなのかな……)と思い、それ以上は何も言いませんでした。
約束の日に起きたこと
ところがある週末、義両親と一緒に出かける約束をしていた日のことです。いつものように家族で義実家へ向かうと、玄関は閉まっていて人の気配がなく、車もありませんでした。不思議に思いながら、夫が電話をかけてみると……
「あれ!? 今日だった!?」と、義母の驚いた声が聞こえてきます。さらに「ごめ〜ん! 曜日を勘違いしてて、もう遠くまで出ちゃって……」と、どうやら予定をすっかり忘れていたようでした。
楽しみにしていた子どもたちは、「え〜……」とがっかり。その様子を見て、夫も思わず「カレンダーにちゃんと書かないから、こうなるんだろ!」と声を強めました。電話の向こうで、義両親は「そうよね〜」と苦笑いしていました。
少しずつ変わったカレンダー
その出来事があってから、義実家のカレンダーには少しずつ予定が書き込まれるようになりました。これまで真っ白だったカレンダーに、予定やメモが並ぶようになったのです。
今回のすれ違いをきっかけに、『見た目より実用』へと考えが変わったのかもしれません。子どもたちのがっかりした声と、夫のひとことが、義両親にとっても小さな気づきになったのだと思います。
【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

