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今や仕事上の連絡でも必須になったLINE。メールや手紙に比べて前置きや締めの挨拶など不要な場面も多く、手軽に連絡できる便利なツールのひとつです。とはいえ、上司や取引先へのLINEはやはり気を遣うもの。もちろん、義母へのLINEも……

師範の義母

私の義母は長年校正の仕事をしており、さらに茶道・華道・日本舞踊の師範資格も持っています。孫に対してもマナーや作法に厳しく、お箸の持ち方や食器の置き方など、細やかな指導を欠かしません。

そのおかげで孫たちはきちんとした所作を身につけましたが、祖母に対しては少し近寄りがたい印象を抱いているようでした。

日々気を遣う義母の存在

私自身も義母の前では所作に気を使い、特にLINEでのやり取りには神経を尖らせていました。「今向かってます」か「今向かっています」か、それとも「今、向かっております」が正しいのか。たった一言の返信にも悩み続ける日々。

というのも、結婚式で両親へ読む手紙を義母に校正された経験があり、それ以来、文面には過敏になっていたのです。

緊急帝王切開

ある日、第二子を妊娠中、正産期を前に破水。私は震える手で救急車を呼びました。救急車が到着するまでの間に夫や両親、義両親のグループLINEへ「破水」とだけ送信。その後すぐに搬送され、緊急帝王切開することに。一時はどうなることかと不安でしたが、無事女の子を出産しました。

数日後、お見舞いに来た義母は「おめでとう」の次に「LINEは短くて良い!」と一言。「破水、とか今向かってる、とかで十分。正しい日本語で迷うより、早く返事が欲しいのよ。だから質問には文法よりスピード重視で返信して」と続けました。

マナーの鬼との壁は今

さらに義母は「産後は文法なんてどうでもいい。寝たい、とか代わって、とか一言LINEくれたらすぐ駆けつけるから」と言ってくれました。その言葉に、長年“マナーの鬼”だと思っていた姑への壁がすっと消えたのです。今ではスタンプだけで会話するほど気楽な関係に。

ちなみに「破水」に対する姑の返信は「絶対大丈夫。安産祈願! 私の立ち振る舞いについては〇〇(夫)の指示を仰ぎます。返信不要」というものでした。厳しさの裏にある温かさを知り、私は姑との距離をぐっと縮めることができたのです。

言葉の正しさよりも「伝えることの速さ」が大切な場面もあるのだと学びました。厳格な人だと思っていた姑の本音に触れ、心の距離を縮めることができたのです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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