多趣味な同僚
私が勤めている会社に、西田さん(仮名)という後輩がいます。推し活で遠征に出かけたり、スポーツ観戦に行ったり、釣りを楽しんだり……とにかく趣味が多い人でした。
有給休暇も、ライブや試合の日程に合わせてどんどん使っていました。有休はもちろん労働者の権利ですし、上司も特に制限することはありません。私はというと、(そんなに使って、もしものとき大丈夫なのかな……?)と少しだけ気になっていましたが、口に出すことはありませんでした。
まさかの『風邪』で欠勤
そんなある日、西田さんが風邪で発熱し休むことになりました。ところが、その時点ですでに有休はゼロ。制度上、その日は欠勤扱いになるようです。体調が回復し、翌日出勤してきた西田さんは「風邪で働けなかったのに、欠勤は納得いかない!」と上司に話している様子でした。
でも決まりは決まりで、どうすることもできません。西田さんは最後まで納得できないようでしたが、結局欠勤のまま処理をされることになりました。
ションボリの理由は……?
そしてしばらくして迎えた給料日。西田さんは給与明細をじっと見つめ、前月分と何度も見比べています。「え、欠勤ってこんなに引かれるの……?」
ぽつりとつぶやく声が聞こえました。欠勤1日分が差し引かれた金額を見て、その額が想像以上に大きく、驚いている様子でした。具体的な数字で見ると、その重みははっきり伝わります。その日以降、西田さんは有休をすべて使い切ることはなくなったようです。
私も学んだこと
有休を好きなことに使うのは、決して悪いことではありません。むしろ、リフレッシュや楽しみのために使うのは大切なことだと思います。ただ、もしものときの余裕も含めて考えることが必要なのだと、私は西田さんの姿から学びました。
会社からの説明よりも、給与明細の数字のほうがずっと実感を伴っていたように思います。有休消化も計画が大事。そう心に留めながら、私自身も気をつけようと感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

