産前休暇とともに悪化した行き渋り
3歳の息子がイヤイヤ期真っ只中だった頃の話です。第二子を妊娠し、産前休暇に入ったころから、保育園の行き渋りが急に悪化しました。毎朝泣きわめき、車に乗るのも降りるのも拒否。教室の前で泣き崩れ、抱っこで連れていく日もありました。
お腹が大きい中、私は毎日必死に付き合っていましたが、「ここまでして通わせる意味はあるのか」と迷う日もありました。
パパだと平気、ママだと大号泣
妹が生まれてからは送り迎えを夫に交代しました。すると息子は毎日ニコニコで登園していたそうです。その話を聞いたとき、ほっとする気持ちと同時に、「ママじゃないほうがいいのかな」と少し寂しくなりました。
1か月後、私が送り迎えを再開すると、翌日からまた大号泣が復活しました。娘が生後半年を過ぎてもイヤイヤは終わらず、心も体も限界に近づいていました。
担任の先生の言葉
ある日、教室前で泣いている息子に付き添っていると、担任の先生から声をかけられました。私は思わず「私の対応が悪いんでしょうか」と弱音を吐いてしまいました。
すると先生は穏やかに、「息子さん、ママが本当に大好きなんですね」「赤ちゃんがいてもしっかり向き合っていて素敵ですよ」「安心しているから、ここまでイヤイヤできるんです。これから先の強みになりますよ」と言ってくれました。
その言葉を聞いた瞬間、涙が止まりませんでした。“困った子”ではなく、“安心して甘えられる子”だったのだと初めて気づいたのです。
30秒の抱きしめ時間
それから私は、泣かせないことを目標にするのをやめました。登園前に30秒だけ抱きしめる時間を作るようにしました。すぐにイヤイヤが消えたわけではありません。でも、少しずつ頻度は減っていきました。
そしてある日、息子は「バイバイ」とタッチをして、ルンルンで教室に入っていきました。あれだけ苦しかった毎日が、気づけば終わっていました。嬉しいはずなのに、少しだけ寂しさもありました。あのイヤイヤの日々は、私にとっても宝物だったのだと今は思っています。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2022年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

