薬剤師って、どんな仕事?
調剤薬局で薬剤師をしています。この仕事の一般的なイメージは、「処方せんに基づいてお薬の用意をする人」といったところでしょうか。
薬剤師として必要な知識や技術はたくさんあります。しかし、実際に働き始めるともうひとつ、身体のある部分が想像以上に鍛えられることになるのです。
薬剤師の意外な必須スキル
薬剤師が鍛えられる意外な場所、それは「親指」です。薬局での仕事のひとつに、一包化(医師の指示のもと、複数のお薬を1つの袋にまとめるサービス)があります。この仕事と親指は、切っても切れない深い関係があるのです。
作業内容はシンプルで、アルミ包装から1錠ずつお薬を指で押し出し、そのまま専用の機械に落としていくだけ。発生頻度は薬局ごとで異なりますが、私の職場では高齢者施設の受け持ちがあり、毎日多くの一包化が発生しています。
指先の酷使
処方が出やすいお薬は、初めからバラ錠包装で対応することもありますが、全てのお薬に当てはまるわけではありません。在庫や処方頻度などのさまざまな要因がからみあっており、手作業でしか対応できない部分もあります。
少量ならまだしも、1日に何十件、何百件と作業を繰り返すと、押し出した錠数は4ケタを超えることも珍しくありません。その結果、親指はジンジン痛んで指先の皮がむけることも。新人時代は作業の後、缶コーヒーのプルタブが開けられなくて苦労しました。
楽器を弾く人は指先が厚くなるといいますが、薬剤師もある意味、それに当てはまります。
親指は立派な仕事道具
場合によっては、お薬を取り出す器具や専用の指サックなども活用します。しかし、個人的な好みを言うと、作業をしていて一番しっくりくるのは自分の指。仕事柄、爪は短めに整えていますが、親指だけは気持ち長めをキープし続けています。
薬剤師にとって、親指は立派な仕事道具のひとつ。そんな親指を酷使しながら、今日もせっせとお薬を押し出しています。
【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2024年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています
EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

