限界まで追い込まれていた日々
私と夫は喧嘩が絶えず、離婚を真剣に考える時期がありました。「どうしてこの人と結婚しちゃったんだろう……」「もう、あの人がいる家に帰りたくない……」そんな気持ちになるほど、心はすり減っていました。
夜中に起きた、説明できない体験
ある日の激しい喧嘩のあと、夫が「一緒の空間にいたくない」と言い出し、夫はリビングのソファで、私は寝室のベッドで眠りました。眠っていると、ふと私の頭上に気配を感じ、「誰かいるの!?」と思った瞬間、身体が動かなくなりました。
「わ……金縛りだ……」必死に動こうとしても無理で、なんとか動かせたのは瞼だけ。そこで、おそるおそる目を開けてみることに――。すると、誰かいる気配はあるのに姿は見えません。けれど、金縛りが解けた瞬間、ふわっと懐かしい香りがしたのです。それは、夫のおばあちゃんの家の匂いでした。
泣きながら思い出した「大切なもの」
翌日、声をかけたくなかったけれど、思い切って昨日の出来事を夫に話すことに。すると夫も「俺も昨日おばあちゃんが夢に出てきたんだよね。おばあちゃんは一言も喋らなかった。ただただ、すごく悲しそうにしてたんだ……」「いつも味方でいてくれたおばあちゃんを悲しませて申し訳ない」そう言って、おばあちゃん子だった夫は急に泣き出したのです。
その姿を見て、私も夫のおばあちゃんにもよくしてもらったこと、付き合っていた頃の楽しかった思い出、プロポーズされた日。思い出と感情が一気にあふれ、二人で子どものようにわんわんと泣いてしまいました。
その後の私たち
少しずつですが、この出来事をきっかけに冷静に話し合えるようになりました。もしかしたら「喧嘩しないでね」と、出てきてくれたおばあちゃんのおかげかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2022年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:島田歩実
元銀行員として、女性のキャリアやお金にまつわるあれこれを執筆中。アメリカへの留学経験もあり、そこで日本社会を外から観察できたこともライターとしての糧となる。現在はSNSなどを介してユーザーと繋がり、現代女性の声を収集中。

