息子がもらった、かわいいチョコレート
幼稚園に通う息子のはると(仮名)が、バレンタインの日にチョコレートをもらってきました。同じクラスの女の子からで、チョコは市販のものを少しアレンジしたような、母娘で楽しく作ったことが伝わってくるかわいらしい仕上がりでした。
その女の子のママ・優香さん(仮名)とは、送迎のときに会えば少し立ち話をする程度の関係です。「わざわざ用意してくれたんだな」と思うと、素直に嬉しく感じました。はるとも嬉しそうで、家に帰ってから何度も袋をのぞいていました。
親子で作ったホワイトデーのお返し
ホワイトデーが近づいた頃、私はお返しについて考え始めました。もらったのが手作りだったこともあり、同じように気持ちを込めてお返しすることに決めて、はるとと一緒にクッキーを作りました。生地をこねたり、型を抜いたり、親子で過ごす時間も楽しくて……私としては満足のいく仕上がりです。
ホワイトデー当日、送迎のときにそのクッキーを渡すと、優香さんも「ありがとうございます」と受け取ってくれました。そのときは、特に気になる様子はなかったように思います。
あとから知った、価値観のすれ違い
ところが数日後、別のママ友から、優香さんがこんな話をしていたと聞きました。「ホワイトデーのお返し、手作りだったんだよね〜」「普通ホワイトデーって、もう少しちゃんとしたもの返すよね」
私は正直驚きました。私にとっては「手作りしてくれたから、同じように返そう」という気持ちだったからです。でも、優香さんにとっては『ホワイトデー=きちんとした品を返す日』という考えがあったのだと、あとから分かりました。
イベントごとに対する距離感
子ども同士のやりとりは、とても微笑ましいものです。でも、大人がどう受け取るかによってこんなふうにズレが生まれることもあるのだと感じました。どちらが良い、悪いという話ではなく、ただ価値観が違っていただけなのだと思います。
それ以来、さまざまなイベントごとのやりとりについて、「良かれと思って選んだことが、相手にそのまま伝わるとは限らない」と少し慎重に考えるようになりました。自分の気持ちと、相手の受け取り方。その間にある距離感を、これからは意識していきたいと思っています。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

