月齢が近い子を育てるママ友
私には、1歳になったばかりの娘がいます。上の子は幼稚園に通っていて、よく送迎で会うのが、月齢が近い息子を育てている結衣さん(仮名)です。最初は挨拶だけでしたが、次第に育児のことなどを話すようになりました。
結衣さんは、会うたびに「うちの子、発達が早くて〜!」と話してくれます。10ヶ月頃から歩き始めたそうで、今ではスタスタ歩く姿が誇らしそうでした。その流れで、「千尋さんの娘ちゃん、もう1歳だよね?」「まだ歩かないの? ちょっと心配だね……」と言われたことがあります。
分かっていても揺れる気持ち
頭では、成長には個人差があると分かっていました。健診でも特に指摘はなく「問題ないですよ」と言われています。それでも、同じ月齢の子が歩いている話を聞くたびに、少し不安で気持ちが揺れることがありました。
結衣さんに悪気がないことも分かっていましたが、比べられているように感じてしまう瞬間があり、胸がざわつきました。
さらっとかけられた言葉
ある日の送迎で、また同じようなやり取りになりました。その会話を近くで聞いていた別のママ・雅子さん(仮名)が、自然な流れで話に加わってきました。雅子さんは笑いながら「うちの子が歩いたのなんて、1歳半のときだったよ〜!」と言いました。
そして「ほんとに個人差だから、全然焦らなくていいと思うよ」と私に優しく声をかけてくれたのです。「今じゃ運動会のリレーでアンカーやってるくらい、走るの好きだけどね!」と、少し楽しそうに話してくれたのが印象に残っています。
他の子と比べなくていい
雅子さんの言葉で、「早く歩ける=運動が得意」「遅い=心配」という単純な話ではないのだと腑に落ちた気がしました。
娘は娘のペースで、毎日できることを増やしています。立ち上がろうとして転んだり、昨日できなかったことが今日はできたり、その一つひとつが娘の確かな成長です。誰かと比べるのではなく、目の前の娘の変化をそのまま見ていけばいいのだと、ようやく思えるようになりました。
子育てに悩みはつきものですが、この感覚を忘れずにいたいと思っています。比べてしまいそうになったときほど、娘自身を大切に見ていきたい。そんな気持ちになった出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2024年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

