出産を機に選んだ暮らし方
私は出産をきっかけに仕事を辞め、現在は専業主婦として子育てをしています。一方で義母は昔から仕事を大切にし、一生懸命働いてきた人です。私自身、働くママを否定する気持ちはなく、むしろ尊敬しています。
でも前職での働き方や、今の家庭の状況を踏まえて、夫婦で話し合いを重ねた結果「幼稚園に入園するまでは自宅で育てよう」と決めました。今の自分たちにとって、無理のない形だと感じて選んだものでした。
義母から何度も向けられた言葉
そのことを知ってから、義母は会うたびに、「毎日家にいてどうするの? 退屈じゃない?」「保育園に行ったほうが、いろいろ経験できて絶対いいのに!」と口にするようになりました。
言われるたびに、家で育てていること自体を否定されているように感じてしまい、気持ちが沈みました。義母が悪気なく言っていることや、孫を思ってのことだと分かっていても、その言葉が積み重なると心の中にモヤモヤが残りました。
子どもとの日々をまとめたアルバム
ある日、私たち夫婦は、子どもとの日々をまとめたアルバムを作ることにしました。家で一緒に工作をした写真、キッチンでエプロンをつけて料理を手伝う様子、絵の具だらけになって笑っている顔。特別なことはなく、自宅で過ごす何気ない時間の写真がたくさん並んでいます。
週末、そのアルバムを義実家で何気なく見せると、義母は一枚一枚に黙って目を通していきました。言葉はなく、なにか考えている様子です。(なにか言われるかな……?)と私は緊張してしまいました。
写真を通して伝わったこと
しばらくして、義母が「……家にいても、こんなにいろいろしてるのね」とぽつりと言いました。それ以降、「退屈じゃないの?」や「保育園のほうがいい」という言葉を聞くことはなくなりました。
私は、義母の考え方が間違っていたとは思っていません。働きながら子育てをしてきた義母なりの経験から出た言葉だったのだろうと思っています。ただ、自宅で過ごす時間にも、ちゃんと子どもの経験は積み重なっています。写真を通して、それが伝わっただけで十分でした。夫婦で話し合って決めた今の暮らし方を、私たちはこれからも大切にしていこうと思います。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

