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かつてやんちゃだった男子やギャルだった女子が今ではすっかり丸くなっていると、なんだか親しみやすく感じるのは私だけでしょうか。時を経て、丸く穏やかになった人もいれば、当時のままの人もいる。今回はそんな後者にまつわるエピソードです。

「どけよ」

私にはEという友人がいます。彼女とは小中高と同じ学校に通っていましたが、かなり強気な性格で決して道を譲ることがありません。廊下を歩くときも、前に人がいれば「どけよ」と言い放ち、自分の進みたい方向へ突き進むのです。

その噂はすぐに校内に広まり、やがて彼女が何も言わなくても周囲が避けるようになりました。Eはそれを「強い自分」と勘違いしていましたが、実際は「関わりたくない人」と認識されていたのです。

時を経た「どけよ」

時は流れ、私は大学進学で地元を離れ、就職、結婚。別の県で暮らすようになりEとは疎遠に。一方Eは地元での生活を続けていました。

ある年、二人目の出産のため里帰りをしていた私は、長女とショッピングモールへ。週末で混雑するおもちゃ売り場の狭い通路。突然、小学生くらいの女の子が「どけよ」と私たちに言い放ったのです。

あまりに驚き、最初は自分に向けられた言葉だと気づけませんでしたが、確かに私たちに向けられていました。その瞬間、直感したのです。「この子はEの子だ」と。

願わぬ再会

娘の手を引いて離れようとしたとき、「もしかして〇〇?!」と声をかけられました。やはり予感は的中。その小学生の母親はEでした。かつて強めギャルだったEは、今では地味なスエット姿で髪もぱさぱさ。強引にお茶に誘われ、しぶしぶフードコートへ。

E親子は無料の水だけで席に居座り、そして「お金、貸してくれない?」と切り出したのです。断ると「新幹線で帰省するくらいお金あるだろ!」と激昂。それでもお金は貸せない、と伝えると、今度は態度を急変させ「せめてそれだけでも」と私のエコバッグを指差します。

私は恐怖を感じ、夕食の材料が入ったバッグを渡して逃げるようにその場をあとにしました。

横暴の代償

後に聞いた話では、Eは高校卒業後も「どけよ」というスタイルを崩さず地元の会社に就職。しかし取引先にも同く「どけよ」発言したことで職場に居づらくなり退職。その後離婚し、シングルマザーとして借金に追われているとのことでした。かつて「強さ」と勘違いしていた言葉が、人生を大きく狂わせてしまったのです。

強さとは人を押しのけることではなく、互いに尊重し合う中で育まれるもの。どうかEの娘さんは母の背中をそのままなぞることなく、改心して新しい道を歩んでほしいと願っています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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