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毎日のように続く残業。終わったはずの仕事なのに、なぜかオフィスの明かりは消えない。そんな光景、どこかの職場で見たことがある人も多いはず。今回は、不動産会社で働く友人・えりさん(仮名)の同僚にまつわる「残業あるある」エピソードを紹介します。

定時が来ても帰らない同僚、斎藤さん

私の職場には、なぜか毎日、最後までオフィスに残っている同僚の斎藤さん(仮名)がいました。仕事が立て込んでいるわけではありません。むしろ、日中に業務はきちんと片付いており、定時が近づくころにはやるべきことはほぼ終わっているのです。

それでも斎藤さんは定時を過ぎてもパソコンの前から動かず、「残業代で稼がないとね」と、それが決まり文句のようになっていました。

仕事をしている“フリ”が止まらない

斎藤さんのパソコン画面に映っているのは、すでに処理済みの書類や返信済みのメールばかり。ファイルを開いては閉じ、閉じてはまた開く。その繰り返し。コーヒーを買って戻ってきても状況は変わらず、画面をぼんやり眺めては思い出したようにキーボードを数回叩く。その姿は「今も仕事をしています」というアピールだけが独り歩きしているように見えていました。

「帰りづらさ」が生んだ残業地獄

最初は、「あの人、頑張ってるよね」と好意的に見られていました。けれどある日から、帰り支度をする同僚たちの間で小声の相談会が始まるように。「もう終わってるけど、斎藤さんがまだいると帰りにくくない?」「先に帰ったら、悪者みたいだよね」

その結果、オフィスにいる時間はじわじわと伸びていくのに、仕事の成果は増えない状況に。「長く会社にいるわりに、仕事が進んでいない」そんな声が上司に届き、集中力の低下や翌日のパフォーマンスへの影響も問題視されるようになったのです。

残業のルールを塗り替えた男

その後、会社は業務効率と社員の健康を理由に残業の実態調査を行い、「必要のない残業はしない」という明確な方針を打ち出しました。残業代を稼ぐことより、定時内に仕事を終わらせる人が評価される文化へと舵を切り、上司からも「仕事が終わった人から帰ろう」という言葉が繰り返し伝えられるようになりました。

こうして斎藤さんの「残業パフォーマンス」は長く続きませんでしたが、皮肉なことに、その行動がきっかけとなって、会社全体が無駄な残業を見直すことになったのでした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

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