クリスマス前の日常と、サンタさんの存在
クリスマスを迎えるまでの数週間、私は1歳の男の子、3歳の女の子、5歳の男の子と一緒に慌ただしい毎日を過ごしていました。
クリスマスが近づくにつれ、日常の中で自然とサンタクロースの話題が増えていきました。「サンタさん来るかな〜」「いい子にしてたら来るかもね」「プレゼントくれるかな?」そんな何気ない声かけを、特に意識することなく繰り返していました。
忙しい日々の中で、子どもをなだめたり、行動を促したりするために、ついサンタさんの存在に頼ることもありました。
今思えば、言わなくてもよかった言葉
言うことを聞かないときには、「サンタさん見てるかもね」。良いことをしたときには、「サンタさんもきっと見てくれてるね」。今思えば、「サンタさん、おうちに来ようか迷ってるんじゃない?」など、言わない方がよかったかもしれない言葉も、私は口にしてしまっていました。
それでも子どもたちはサンタさんの話が大好きで、毎日楽しそうにクリスマスを待っていました。その姿を見て、私も特に疑問を持たずに過ごしていたのです。
クリスマスの朝に聞いた、5歳のひと言
迎えたクリスマス当日。朝起きると、リビングにはプレゼントが置いてあり、子どもたちは一斉に歓声を上げました。特に5歳の息子は大興奮で、プレゼントを抱えながら飛び跳ねて喜んでいました。
しばらくして落ち着いた頃、息子がふと真剣な表情で私の方を見て話しかけてきました。「ねえ、ママ。ぼく、いっぱい悪いことしたし、ママとパパの言うこと聞いてない時ばっかりだったけど、サンタさん来たね」そして、少し不安そうな声でこう続けました。「サンタさん、こっち見てなかったのかな?」
喜びの裏で気づいた、言葉の重さ
その言葉を聞いた瞬間、胸がぎゅっと締めつけられるような気持ちになりました。息子は喜びながらも、自分の行動がずっと評価されていたのではないかと、心のどこかで気にしていたのだと気づいたのです。私は笑顔で「大丈夫だよ」と答えました。けれど内心では、強く反省していました。
子どもを導くつもりで使っていたサンタさんの存在が、知らないうちに子どもの心に不安を残していたかもしれない。善意やしつけのつもりでも、親の何気ない言葉は、子どもに深く残るのだと痛感しました。クリスマスの喜びの裏で、子どもの心の繊細さと、親の言葉の重さを改めて考えさせられた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

