病気がちな姉
小学校1年生だった時の出来事です。4つ年の離れた姉は病弱なタイプで、よく学校を休んでいました。その年の冬に引いた風邪は熱が下がっても咳がしつこく残り、母はそんな姉につきっきり。私はどこか妬ましさを感じていました。
意図せずお仏壇が荒れる
看病の様子を見ていても面白くありません。私は近所の公園に出かけることにしました。その時です。持ち上げたカバンがお仏壇に当たり、位牌が倒れてしまったのです。わずかながら灰もこぼれてしまいました。
「まずい」と思いつつ、片づけは後回しに。しかし、帰宅後はお仏壇のことなんてすっかり忘れてそのまま放置していました。
原因不明の病に弱ってゆく姉
数日後、姉は再び高熱を出し食事がとれなくなりました。食べても吐いてしまい、みるみる衰弱していきます。近所の病院で検査しても原因が分からない様子でした。「このまま姉が死んじゃったらどうしよう……」と、子どもながら不安でたまりませんでした。
その時、なぜか私はお仏壇のことが頭に浮かび、以前の行いを思い出したのです。「もしかして、荒らしたお仏壇をそのままにしてたからご先祖様が怒っているのかも……!」
私はすぐさまお仏壇の掃除に取りかかりました。「どうか姉を連れていかないで」と泣きながら願いました。大事な人を失うかもしれない恐ろしさに、これほど震えたことはありません。
その後、劇的に回復
私がお仏壇の掃除を終えた直後、姉は近所の病院では手に負えなくなり総合病院に移されました。そこで肺炎をこじらせていることが分かり、入院治療でみるみる回復していったのです。自分で走り回れるようになった姿を見た瞬間、心の底から安心しました。
医学的に見れば、姉の病気とお仏壇での出来事はなんら関係がないでしょう。しかし「もしあのまま放置していたら」と考えると、今でも背筋が凍るのです。偶然にせよ必然にせよ、お仏壇はキレイになり姉は元気になった。もうその事実だけで十分な気がします。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2020年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中

