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可愛い弟の結婚を、家族みんなで心から祝っていました。「新婚生活の足しに」と渡したお祝い金が、まさか別の場所へ向かっていたと知るまでは。思わず言葉を失い、これからどんな生活を送っていくのか心配になった出来事です。

弟の結婚。家族みんなで祝福していたはずだった

弟が結婚し、家族みんなで「よかったね」「おめでとう」と喜んでいました。私も「新婚生活の足しにしてね」という気持ちを込めて、お祝い金を包みました。弟たちの新しい生活に少しでも役立てばいい、ただそれだけの思いでした。

何気ない一言で知った、衝撃の事実

後日、弟と話していたときのことです。私は軽い気持ちで「この前のお祝い、使えた?」と聞きました。すると弟は、少し気まずそうにしてから、こう言いました。

「嫁の実家に渡ったから、俺らの手元には入ってないんだ」思わず「え? どういうこと?」と聞き返すと、弟はため息をつきながら説明を始めました。

三世代続く「家のルール」に言葉を失う

弟の話によると、嫁の実家には昔から「結婚祝いはすべて嫁の実家に渡す」という独自のルールがあるそうです。さらに衝撃だったのは、そのルールが一代限りではなかったこと。「嫁のお母さんのときもそうだったらしい。結婚式のご祝儀も全部実家に入れたんだって」

そして弟は、追い打ちをかけるようにこう続けました。「だから、俺たち夫婦のご祝儀も、嫁が全部実家に入れたらしい。義両親から“うちのやり方だから”って言われたみたいで……」

私は心の中で、「三世代連続で!?」「ご祝儀って新生活のためのお金じゃないの?」「なぜ実家の財布に入るの?」と、混乱するばかりでした。

しかも嫁の家族は、「私たちのときもそうだったから、娘夫婦からももらうのが当然」という価値観で、それを本気で“普通のこと”だと思っているそうなのです。

悪気がないからこそ残る、割り切れないモヤモヤ

弟は苦笑いしながら「まあ、そういう家みたいでさ……」と言っていました。でも、私はどうしてもモヤモヤが拭えませんでした。「弟へのお祝いが、すべて嫁の実家に吸い込まれるなんて……」「これって、本当に“慣習”で片づけていい話なの?」

嫁の実家も、悪気があるわけではないのだと思います。本気で「これが普通」だと信じているからこそ、余計に厄介なのだとも感じました。

最後に私は、弟に聞きました。「ほんとに、それで納得してるの?」弟は少し黙ってから、ただ静かに笑うだけでした。その笑顔が、今も少し引っかかっています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

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