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出会いがあれば別れもある。仕事をしていると、退職に立ち会うこともあるでしょう。かつて一緒に仕事をした仲間のその後は、プライベートでつながっていない限り、なかなか知る機会はありません。しかし、薬剤師は職業柄、意外なものから仲間の“その後”を知ることも……、

仲間の退職

私は調剤薬局で薬剤師をしています。長年同じ場所で働いていると、仲間の転職・退職に立ち会う場面は少なくありません。退職後の話をオープンにしてくれる人もいれば、そっとしておいてほしい雰囲気の人も。プライベートなことなので、こちらから積極的には聞かないようにして、気持ちよく送り出すのが礼儀だと思っています。

ただ、送り出した後、「あの人、元気でやっているかな?」とふと思い出して気になることも。

意外なところで知る、仲間のその後

実は、薬剤師は意外なきっかけで、仲間の“その後”を知ることがあります。それは、患者さんからお預かりするお薬手帳。

実は、お薬手帳に載っているのはお薬の内容だけではありません。どの薬局で受け付けて、誰が調剤したのか、その情報も記録されています。何気なく確認していると、ふと見覚えのある印を見かけることも。

あの人は今

少しだけ、記憶をたどり「あっ、Aさんだ!」と、その正体がかつての同僚だと気づくのです。「今はこの薬局で働いているのかな。いつも優しく声かけしてくれてたなあ。元気でやってるかなあ」名前を見た瞬間、当時の仕事ぶりが頭の中をかけめぐります。直接連絡を取り合うような仲ではないけれど、手帳を通じて仲間の姿が見えてくるような気がします。

知識を活かし、健康を支える

現場は慌ただしく、思い出に浸る余裕はあまりありませんが、別の場所でも頑張っている仲間の存在は励みになります。

働く場所が変わっても、地域医療を支える仲間であることに変わりはない。見えない繋がりを感じさせてくれる瞬間です。お薬手帳が連れてくる、薬剤師ならではの小さなドラマのお話でした。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

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