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義母の家で開かれたクリスマスパーティー。いつものように温かく迎えてもらって、私も心が和んでいました。しかし、その日のメニューを見た瞬間、胸がドキッ。義母の善意と、私たち家族がすれ違ってしまい、最後には思いがけないひと言が……。

サンタ服を着せてワクワクで向かった義母宅

義母主催のクリスマスパーティーが開かれることになり、私と夫、子ども3人で義実家へ。喜ぶと思い、子どもたちには可愛いサンタ服を着せて向かいました。

車の中では「ばあばに見せるんだ!」「クリスマスパーティー楽しみ〜!」と大はしゃぎ。その無邪気さに私もほほえみながら、“子どもたちも楽しめる会だといいな”と期待していました。

到着すると、義母が満面の笑みで迎えてくれ、その姿に、今日も義母が張り切って準備してくれたんだなと、私の気持ちも和みました。

テーブルに並んでいたのは……

しかし、テーブルを見ると少し驚いてしまいました。そこに並んでいたのは、華やかだけれど大人向けのオードブルばかり。生ハム、チーズ、海鮮のマリネ、スパイスの効いた唐揚げ、揚げ物……。見栄えはすごく良いし、義母なりに“クリスマスらしいごちそう”を用意してくれたのは分かります。でも、小さな子どもが安全に食べられるものは……一つもありませんでした。

義母は嬉しそうに「これ、見栄えがいいでしょ〜! クリスマスっぽいのよ♪」と話していて、悪気はまったくない様子。だけど子どもたちは、食べられない料理を前に固まってしまい、次第に空腹でグズグズ言い始めたのです。

ベビーフードを取り出した瞬間の、ちょっとした行き違い

仕方なく、持参していたベビーフードを準備することにしました。すると義母が少し驚いたように、「えっ、パーティーでベビーフードなの? 最近の子は食べられるものが少なくて大変ねぇ」と、軽い世間話のつもりで言ってきたのです。悪意がないのは分かっているのですが、ただ、空腹で疲れていた子どもたちにはその言葉が重く感じてしまったようでした。

さらに、義母は5歳の長男に “大人向けオードブル” を「ちょっと味見だけでもしてみない? おいしいわよ〜」とすすめ、一口いただくことに。だけど味が強くて口に合わなかったのか、長男は泣き出してしまいました。

夫は気まずそうに黙ったまま。私は状況をフォローしようと「すみません、食べムラがひどくて……」と笑って返したが、心の中は焦りでいっぱいでした。

そんな中、ついに長男が限界に達し、「ばあば! 僕、食べられるやつなーんにもないよ! なんで唐揚げ作ってくれなかったの? おにぎりもないし! もうばあばの家来たくない!」その場の空気が一気に固まりました。

息子のひと言で気づいた義母の表情

息子のまっすぐなひと言に、義母はハッとして表情を変え、やさしい声で言いました。「ごめんねぇ……ほんとに気がつかなかったわ。次から好きなもの、ちゃんと聞いて準備しておくね」

義母のその言葉に、胸がふっと軽くなりました。義母は最初から “みんなのために張り切った” だけで、誰かを困らせるつもりなんてなかったのだと分かっていたからです。帰りの車で、夫も「来年はメニュー、俺から確認するよ」と話してくれました。

“子どもが食べられる料理って本当に大事なんだ……”そう心から思い知らされたクリスマスでした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

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