中高の6年間、英語を勉強したはずなのになぜか英語が話せない。そう感じている方は多いのではないでしょうか。私の勤務する脱毛サロンでも英語が話せないスタッフばかり。そんな職場にある日、自称・留学経験者の社員がやってきて……今回は、私の職場での実体験をご紹介します。
元気な新入社員
ある春の事、私の勤める脱毛サロンに新卒の女性社員・Mさんが仲間入り。自己紹介では「留学経験があり英語が得意です」と堂々と話し、日常会話にも英語を織り交ぜるほど。
「今日weather newsをcheckし忘れちゃって」や「TGIF!(Thank God It’s Friday)」など、職場は彼女の英語表現で賑やかで良い雰囲気に。ただ、発音は和製英語に近く、留学先を尋ねると「オーストラリアです!」と教えてくれました。
異なる国々
ある日、同僚との会話で「Mちゃんはオーストラリア帰りなんだね」と話すと、「え? 私はカナダって聞いたよ」との返答。さらに別の同僚は「アメリカって言ってたような」と言い、留学先の国が一致しないことに気づいたのです。
少し不思議に思いながらも、彼女の明るさと頑張り屋な姿勢に疑いを持つことはありませんでした。
母親からの真実
そんなある日、職場の飲み会で彼女は酔いつぶれてしまい、私と同僚で、タクシーで自宅まで送ることに。質素なアパートに着き、インターホンを押すと母親が出てきて「いつもお世話になっております。M、皆さんにご迷惑をかけていませんか?」と丁寧に声をかけてくれました。
私たちは「Mさんは接客も施術もとても丁寧で、留学経験者だけあって、コミュニケーションも英語も上手ですよ」と伝えると、母親は「昔から留学に行きたいと言っていました。でもうちにはその夢を叶える余裕がなくて。いつしか留学経験者という嘘をつくようになってしまったのです」と申し訳なさそうに教えてくれたのです。
私たちは胸が痛みましたが、同僚とこの話は二人だけの秘密にしようと決めました。
夢を叶える道
翌朝も彼女はいつも通りの態度で、昨夜の会話は覚えていない様子でした。その後、クラブで外国人の彼氏と出会い、本格的に英会話を身につけていく彼女。1年後には念願の留学のため退社することになり、送別会で「どこの国に行くの?」と尋ねると、答えはまさかの韓国!
彼氏は韓国人で、英語・日本語・韓国語を話すトリリンガル。彼女は彼と同棲しながら語学学校に通うとのこと。英語圏に行くと思っていた私たちは驚きましたが、幸せそうな彼女を見て心から応援できました。
今では通訳として活躍し、英語と韓国語を自在に操る彼女。ひたむきに努力すれば、海外で夢を叶えることはできるのだと、私たちに教えてくれました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

