“性別マウント”が気になるママ友
保育園で出会った美帆さん(仮名)は、私の息子と同じ1歳の娘を持つママさんで、明るく話しやすい人でした。ただ、話していてときどき引っかかる瞬間がありました。
「男の子って将来反抗期大変そう〜」「かわいい服が少ないからつまんないよね」「女の子はやっぱりお得だよ〜」など、言葉の端々に性別で決めつける感じがあり……悪気はなさそうでしたが、私は内心ちょっとモヤっとしていたのです。
「こうなって欲しい!」娘への理想
美帆さんには、娘さんに対する“理想像”があるようでした。「かわいい格好して一緒にカフェに行きたくて〜」「家は木のおままごとセットで統一したいの!」話していると本当に楽しそうで、娘さんとの未来を思い描いているのがよく分かります。ただ、何かと性別を出してくるところはどうしても気になってしまって……。
関係を悪くしたいわけではないので、「そういう考えもあるよね〜」と笑って聞き流しながら、内心では(服や遊びなんて本人の自由だし、うちは“男の子だから”って考え方はしてないしな……)と、距離を保ちながら付き合っていました。
3歳になった娘は……?
月日が経ち、子どもたちは3歳になりました。その頃、美帆さんの口から思いがけない言葉が出たのです。「うちの子、好きな色は青でねぇ……服もスカートよりズボンが好きなの。おもちゃも恐竜とか車ばっかりなのよ〜」
3歳になった娘さんの好みは、以前美帆さんが語っていた理想像とはまったく違う方向だったようです。 娘さんは“自分の好きなもの”を自然に選ぶようになっていました。美帆さんは「女の子だからかわいいものが好き、って決まってるわけじゃないねぇ……」と、ぽつりとこぼしていました。
“理想”よりも、“本人の好き”を尊重する姿
しかしそれ以降の美帆さんは、少し変わったように見えました。「娘が好きな色で着たい服を着ればいいよね」「最近は一緒に恐竜の図鑑を見るのが楽しくて!」
そう話す彼女は、以前よりずっと穏やかで嬉しそうでした。理想どおりじゃなかったとしても、娘さんの好きなものをちゃんと受け止めて寄り添おうとしている。その変化を見たとき、私は美帆さんに対して素直に「素敵だな」と思いました。
子ども本人の“好き”を大事にすること。当たり前に見えて、実はとても大切なことだと改めて感じた出来事になりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

