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今回ご紹介するのは、脱毛サロンで働く妊娠中の後輩のエピソードです。サロンの個室はかなり狭く、大きなお腹で施術するのは容易なことではありません。その個室で、産休前日に後輩に起きた出来事とは……?

産休前日

私は脱毛サロンに勤務しています。翌日から産休に入る予定の妊娠中の後輩が出勤したある日のこと。その日、後輩には施術は入れず、事務作業だけをしてそのまま休みに入る予定でした。

しかし午後3時の予約を午後1時と勘違いしたお客様が早く来店され、急遽後輩に施術をお願いすることになったのです。

突然のトラブル

昼食を途中で切り上げて施術に入った後輩は、焦りからか個室内で転んでしまいました。大きな音に私もお客様も驚きましたが、本人は「転んだだけです、心配かけてすみません」と言い、そのまま施術を続行。

私も接客に戻りましたが、しばらくすると「あなた出血しているわ! 救急車を呼んで!」とお客様の叫び声が。慌てて店長と個室へ向かうと、確かに後輩の白い制服に赤い血のようなものがべったりとついていたのです。

血の正体

急いで救急車を呼ぼうとしたところ、後輩は「いったんトイレに行ってきてもいいですか?」とそそくさと退室しトイレへ。戻ってきた後輩は「出血していませんでした」と落ち着いた様子。しかし制服には赤い染みが確かに残っています。

指摘すると「すみません、これホットドッグのケチャップです」と。昼食中にポケットへ入れていたケチャップを忘れたまま急いで施術に入り、転んだ拍子に破れてしまったのです。赤い液体は血ではなくケチャップでした。

安堵とその後

出血ではないと知り、お客様も店長も私も大きく安堵しました。とはいえ転んだことに変わりはないため、後輩は念のためそのまま帰宅し、施術は私が対応。後日、後輩は無事に出産し、母子ともに健康でした。あの時制服に血がついていると思った瞬間は本当に驚きましたが、ケチャップだと分かった時の安堵感は忘れられません。

それ以来、サロンでは施術前にポケットの中身をチェックするように、というルールが加えられました。今では笑い話になっていますが、本当に驚きました。今でもホットドッグを食べるたびに、この出来事を思い出してしまう私です。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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