もし心霊現象や怪奇現象に直面した時、どう対処するでしょうか。思いつくのは、ご先祖様に助けを求めたり、お経を唱えてみたりといったところでしょうか。リユースショップで、私は同僚から、意外な除霊方法を聞いたのでご紹介させてください。
リユースショップの日常
私はリユースショップで働いています。お店では「値段がつかない商品は持ち帰るか店で処分するか」「査定金額は現金かポイントか」を選べる仕組み。常連のお客様は換金率が高いこと、アプリにポイントが加算される便利さから、現金よりもポイントを選ぶ方が多くいらっしゃいます。
ある日ご来店されたお客様も、「値段のつかない商品は店で処分」「ポイント換金」を選択され、その選択をされた場合はご帰宅されても問題ないため、すぐに退店されました。
大量のフィギュアと日本人形
お客様が持ち込んだフィギュアの数は50体近く、慎重に査定を進めていくと、かごの底に黒い物体が。手に取ると、それは髪が伸びそうな古い日本人形。
上司に報告すると「たまに処分に困ったものを紛れ込ませる人がいる」と淡々と答え、人形は廃棄扱いにして業務を続けてとのこと。私は少し不気味に感じながらも、その日の仕事を終えました。
閉店後の怪奇現象
閉店後、レジ締めをしている時、なんとなく視線を感じ振り向くと、店長がバックヤードに持って行ったはずの人形が、なぜか査定待ちの棚に置かれていたのです。怖くなった私は人形の顔を後ろに向けて作業を再開しましたが、しばらくすると再び正面を向いていました。同僚に問いただしても誰も触っていないと言います。
恐怖が募る中、先輩社員が「除霊やったことある?」と知育玩具売り場へ向かい、戻ってきた手には国民的ヒーローのおもちゃが。
子どもを守るヒーローの力
先輩は真剣な表情でそのおもちゃから有名なマーチを流し、続いて勇気の歌、最後に必殺技のパンチの音声を響かせました。すると誰も触れていないのに人形が床に落ちたのです。「彼は本当に強いんだ。こういう不思議な現象も静まるんだよ」と先輩は語りました。
未就学児に爆発的な人気を誇るそのヒーローは、大人には見えない何かから子供たちを守っているのかもしれません。だからこそ、何十年も変わらず愛され続けているのだと、私はこの出来事を通して強く感じました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

