外国送金でお客様がご来店
外国送金の依頼で50代の男性のお客様が来店されました。手続き内容を確認すると、送金先が銀行で「取扱いを制限している国」。受け付けることができません。
「これは……クレームにならないよう、対応に気をつけなくちゃ……」と肝に銘じて、いざ謝罪とお断りの対応を開始。ひとつひとつ、言葉を選びながら慎重に。そして、できるだけ丁寧に寄り添いながら事情を説明するも、お客様の表情はみるみると険しくなり一一。
飛び交う理不尽な発言
「いい加減にしろよ!」「そんな事情、こっちは知らないよ!」「銀行が無理ならどうするんだ! 今すぐ代わりに調べろ!」「送金できるまで帰らないからな!」「いっそ君が間違えたふりをして、こっそり送金手続きしてよ!」「君だって、今まで処理を間違えたことだってあるでしょ?」次々と理不尽な要求が飛んできます。
そして、決定打のように放たれた一言。「君は、お客様は神様だって習わなかったのか?」その瞬間、私の中でプツン……と何かが切れる音がしました。
正論パンチ!
「お客様のお気持ちや事情もわかります。が、しかし……そもそもお客様は神様ではありません」「私が銀行のルールを破って、あなたのために自分のキャリアに傷をつけるつもりはありません」「もし何かあったら、私のためにお客様が責任をとってくださるのですか?」私の勢いにお客様も急に静かに。
小声で一言
「……確かに。責任とれません……」と小さくつぶやき、お客様は店を後にしました。思わず理不尽なクレームに怒ってしまい、社会人として反省しましたが、結果的にトラブルを解決できた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:島田歩実
元銀行員として、女性のキャリアやお金にまつわるあれこれを執筆中。アメリカへの留学経験もあり、そこで日本社会を外から観察できたこともライターとしての糧となる。現在はSNSなどを介してユーザーと繋がり、現代女性の声を収集中。

