今では、ない施設はないといっても過言ではないほどに、どこでもある“防犯カメラ”。私の勤務する脱毛サロンにも複数台設置されています。今回ご紹介するのは、お客様から聞いた防犯カメラにまつわるエピソードです。
セキュリティ強化
私は歯科医院を営む夫の妻として、医院の運営を陰ながら支えています。ある日、医院の近くで強盗事件が発生。心配した私たちは、医院全体の防犯対策を強化することに。
これまでは異常があった際、院長である夫のスマホにだけ通知が届く仕組みでしたが、念のため自宅のタブレットにも通知が届くよう設定を変更。これで少しは安心できる。そう思っていたのです。
異常を通知
事件からしばらく経ち、強盗も無事に逮捕され、日常が戻りつつあったある日のこと。娘が「ママ、これ何か変だよ」とタブレットを持ってきました。画面には見慣れない通知があり、タップすると防犯カメラのライブ映像が映し出されます。
そこに映っていたのは、閉院後の医院に入っていく夫と、若い歯科助手の姿。私は一瞬で状況を察しましたが、隣には娘。動揺を見せず、何も気づかないふりをするしかありませんでした。
冷静に対応
翌日、私はセキュリティ会社に連絡。「従業員による窃盗の可能性があるので、内緒でカメラを増設してほしい」と伝え、院内の死角にも監視を強化。
数日後、追加されたカメラには、夫とその歯科助手の決定的な映像がしっかりと記録されていました。怒りよりも、妙に冷静な自分と、不思議な達成感を感じたのを覚えています。
セキュリティ強化が招いた結果
私は離婚という選択肢も考えましたが、経済的な安定や家族の将来を考え、結婚生活を続ける道を選びました。その代わり、相手の歯科助手には、しっかりと慰謝料を請求。
皮肉なことに、夫自身が強化したセキュリティによって、自らの不貞が明るみに出たのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

