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忙しさや大変さを競うようにマウントを取ってくる人は、どこの職場にもいるもの。今回は、筆者が出版社で働いていた頃に出会った「自分が1番大変」と言い張る同僚にまつわるエピソードを紹介します。

同僚の阿部さん

編集部には、何かにつけて「私の方が大変なんだから」と主張する同僚の阿部さん(仮名)がいました。会議では常に「私の話を先に」と優先権を主張するのが彼女の口ぐせです。

編集会議を止めるひと言

特集企画の締切が近づくと、阿部さんの「大変アピール」はさらにヒートアップ。「私の方が締切きついんだから、先に進めさせて」と言われるたび、周囲は自分の議題や作業を後回しにする羽目に。

最初のうちは「まあ仕方ないか」と笑って済ませていましたが、毎回のように同じ主張を聞かされるうちに、編集部全体に小さなモヤモヤが積もっていきました。

会議室が静まり返った瞬間

そして迎えた、ある日の編集会議。阿部さんがいつものように「でも、私の方が忙しいから……」と話し始めたその瞬間、私は思わず手を挙げました。「阿部さんの担当分が具体的に何ページか教えてもらえますか?」

次の瞬間、会議室の空気がピタリと止まりました。誰もが一瞬、時が止まったかのように顔を見合わせ、阿部さんは口を開いたまま沈黙。結局、阿部さんは何も答えないまま、会議は再び動き出します。

やさしく論破した、静かな勝利

それ以来、阿部さんは「私の方が大変だから」と言う前に一呼吸おくようになり、編集会議も以前よりスムーズに進むようになりました。

思わず口をついてしまった質問に反省もしましたが、同僚から「あのときはありがとう」と声をかけられることもあり、「みんなの困りごとを解決できてよかった」と一安心したのです。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2023年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

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