皆さんは“忘れられない一言”はありますか? 言われて嬉しかった言葉、傷ついた言葉。言った張本人が忘れていても、言われた側はずっと覚えていることもあるでしょう。今回ご紹介するのは、友人から聞いた、忘れられない一言にまつわるエピソードです。
大好きな祖父の言葉
高校生の頃、私は大好きだった祖父を亡くしました。認知症も進んでいた祖父は、最期に私へ「けんとさんと幸せにな」と言い残します。
当時の私は、彼氏の名前が「けんと」ではなかったこともあり、その言葉を深く受け止めることはありませんでした。祖父の記憶違いだろうと、少し微笑んで受け流したのを覚えています。
忙しい毎日
その後、私は高校を卒業、大学生活を経て社会人に。様々な出会いと別れを繰り返しながら、月日は流れていきました。忙しい日々に追われ、祖父の言葉を思い出すこともほとんどありませんでした。
空港で知った新事実
さらに時は流れ、私はある人と結婚します。家族や友人たちに祝福される中、挙式を終え、ハネムーンへ。出国手続き中の空港で、彼のパスポートを初めて見た瞬間、私は息を呑みます。
彼は二つのパスポートを持っていたのです。海外で生まれた彼は、日本とその国の両方の国籍を持っていて、その国のパスポートにはミドルネームが記されていました。その名前こそが、「ケント」だったのです。
祖父の予言と今の幸せ
祖父が残した「けんとさんと幸せにな」という言葉が、思いがけない形で現実と重なった瞬間でした。あの時の記憶が、一気に蘇ります。祖父は未来が見えていたのでしょうか。
今、私は大好きな祖父のお墨付き(?)の「ケント」さんと穏やかで幸せな毎日を過ごしています。結婚式の写真の横に飾られている、祖父と私のツーショット写真を見ると、いつでも祖父の優しい声が聞こえてくる気がするのです。
【体験者:30代・女性・会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

