物心つく前から通っている保育園
仕事の関係で、息子は0歳から保育園に通っています。子どもにとって保育園は「行くのが当たり前の場所」のようでした。
ある日の朝、いつものように登園準備をしていた時のことです。息子が小さな声で「きょうは、おうちでやすみたい」とつぶやきました。理由を聞いても、うまく言えずに首をかしげるばかり。
夫にヘルプを頼んでみたら
初めての「休みたい」発言に内心驚きましたが、息子の希望を受け入れることに。私は仕事でしたが、幸い夫は休みでした。事情を話し、今日は一緒にいてほしいと伝えると、「病気でもないのに、休むなんてとんでもない。行かせるべきだ」とまさかのNG。夫は登園を促します。
希望が通らず、息子は泣きじゃくりながら着替え始めました。その姿を見て、「休ませたい」私と、「保育園に行かせたい」夫で口論が始まります。お互いの意見を言い合っても、考えは変わらず平行線。夫が黙ったのは、私のこんなひとことでした。
「もし私や同僚が暗い顔して『会社に行きたくない』って言っても、まともに話を聞かずに『行け』で済ませるの?」
誰だって、休みたい日はあるよね
数秒の沈黙。何か思うところがあったようで、結局息子はお休みすることに。1日のんびりお家で過ごしました。保育園にも相談しましたが、トラブルも思い当たらず、休みたがった理由は最後まで不明のまま。
しかし、翌日には何事もなかったかのようにケロッと復活。再び元気を取り戻し、登園拒否は1日で終了。親としては、ホッと胸をなでおろしました。
子どもが大事な気持ちは一緒
その後、夫と何度か話し合いを重ね、「休む」ことへの考え方を夫婦ですり合わせることに。私も夫も、価値観の違いこそあれど、根底にあるのは「子どものため」という思いです。何が子どもにとっての最善なのか。その時々で一緒に考えられるパートナーでありたいと、お互いに認識し合った出来事でした。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

